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最終章 優しい世界
第17話 邪神徒ダニエル
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騒がしい馬車移動が終わって今回の拠点に到着する。目の前がいきなり森林という訳ではなく、開けた場所で早速テントの設営などに取りかかる。そして設営が終わり着替えを済ませると、今回の合同演習の説明が行われた。
今回の合同演習の内容はこんな感じだ。
・三パーティーを一つの隊として殲滅活動をする。
・殲滅は当番制で朝、昼、夜全ての条件で活動をする。演習期間は二泊三日。
・基本的には戦闘や治療などは隊で行う。ただ治療に関しては生徒では無理だと判断した時のみ、帯同する教師が治療を施す。
上級生との合同演習でも変わらずの殲滅戦だった。しかも一団として活動するから、今回は個別での戦闘をすることは無理っぽい、かなり暇な合同演習になるのは確実だね……。
合同演習の説明が終わると、3日間の行動を共にする一団が発表された。私達は3年Bクラスと5年Eクラスの先輩達と、30人の隊を組むことになった。隊のリーダーは最上級生の5年のダニエル先輩が務めた。
「ダニエルです。地方の男爵家の者です。王族や皇族の方々が居るのにリーダーとは荷が重いよ……」
うん、確かにこの面子を相手にリーダーを務めるのは、男爵家の出身では荷が重いよね。とりあえず力み過ぎない程度に声をかけておく。
「大丈夫ですよ! 初めての環境での演習なので、先輩方の経験値が頼りですから」
「そう言ってもらえると助かるよ」
「うむ、学園内に身分は関係ないぞ! 普通に話しかけることを許す」
「あっ、はい……、かしこまりました」
私が声をかけたことで、ダニエル先輩の緊張が少し解れたと思ったら……、リオネル君が割り込んで来たことで全てが『パァ』になってしまった。ここでバカ王子の本領を発揮するとは……恐るべしリオネル君。
§ダニエル視点§
ジャミア様からの天啓の通りに、アリスという『七神女神の愛し子』と同じ隊になった。平民なのに首席で入学したことから、間違いなく女神達の寵愛を受けた者なのだろう。同じように七神女神教を信仰していたのに、自分にはたいした加護も与えられなかったことに怒りを覚えた。
俺はジャミア様から授かった【呪魂の首輪】を使って、合同演習中にアリスを始末する。もう少しで天啓を実行することができると思うと、心の底から歓びが溢れてくるのだった。あの女を好きに弄んだあとに処分すれば、ジャミア様から『圧倒的な力』を与えられるのだからな。その力を使って俺達を見下してしてきた上位貴族を見返してやるんだ!
今回の合同演習の内容はこんな感じだ。
・三パーティーを一つの隊として殲滅活動をする。
・殲滅は当番制で朝、昼、夜全ての条件で活動をする。演習期間は二泊三日。
・基本的には戦闘や治療などは隊で行う。ただ治療に関しては生徒では無理だと判断した時のみ、帯同する教師が治療を施す。
上級生との合同演習でも変わらずの殲滅戦だった。しかも一団として活動するから、今回は個別での戦闘をすることは無理っぽい、かなり暇な合同演習になるのは確実だね……。
合同演習の説明が終わると、3日間の行動を共にする一団が発表された。私達は3年Bクラスと5年Eクラスの先輩達と、30人の隊を組むことになった。隊のリーダーは最上級生の5年のダニエル先輩が務めた。
「ダニエルです。地方の男爵家の者です。王族や皇族の方々が居るのにリーダーとは荷が重いよ……」
うん、確かにこの面子を相手にリーダーを務めるのは、男爵家の出身では荷が重いよね。とりあえず力み過ぎない程度に声をかけておく。
「大丈夫ですよ! 初めての環境での演習なので、先輩方の経験値が頼りですから」
「そう言ってもらえると助かるよ」
「うむ、学園内に身分は関係ないぞ! 普通に話しかけることを許す」
「あっ、はい……、かしこまりました」
私が声をかけたことで、ダニエル先輩の緊張が少し解れたと思ったら……、リオネル君が割り込んで来たことで全てが『パァ』になってしまった。ここでバカ王子の本領を発揮するとは……恐るべしリオネル君。
§ダニエル視点§
ジャミア様からの天啓の通りに、アリスという『七神女神の愛し子』と同じ隊になった。平民なのに首席で入学したことから、間違いなく女神達の寵愛を受けた者なのだろう。同じように七神女神教を信仰していたのに、自分にはたいした加護も与えられなかったことに怒りを覚えた。
俺はジャミア様から授かった【呪魂の首輪】を使って、合同演習中にアリスを始末する。もう少しで天啓を実行することができると思うと、心の底から歓びが溢れてくるのだった。あの女を好きに弄んだあとに処分すれば、ジャミア様から『圧倒的な力』を与えられるのだからな。その力を使って俺達を見下してしてきた上位貴族を見返してやるんだ!
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