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最終章 優しい世界

第5話 後期開始と違和感

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 今日から後期が始まり、久しぶりの英傑学園に登校をする。マリアンヌ以外のクラスメイトとは全く会っていなかったので、再会するのが楽しみで仕方なかったの。まぁ、リオネル君だけは間隔が空いたので、ウザさが復活してないか不安だった。

「アリス様、おはようございます。後期もよろしくお願いします」

 正門に着いて馬車を降りると、マリアンヌが待っていたようで挨拶をしてきた。前日まで一緒に生活していたので、わざわざ改まる必要はないと思うんだけど、マリアンヌなりの気持ちの切り替えなのかな?

「おはよう、後期もよろしくね」

 マリアンヌが合流して教室へと移動を始めると、学園の雰囲気に少し違和感を感じたの。何が違うのかというと、敷地内のある区画からよこしまなオーラが漂っていた。長期休暇の間も寮で過ごしている生徒が大勢居るので、授業がない為に過度なイジメでもあったのかな? 私が絡む範囲ではないのなら気にしても仕方ないので、スルーすることにした。

 教室に入ると、真っ先にセイレーンが笑顔で近寄って来て、長期休暇の話を週末のお泊り会で語り合う約束をした。その後も他のクラスメイト達と久しぶりの会話を楽しんだのだけど、リオネル君の代わり様に驚きを隠せなかったの。

「アリス、久しぶりだな。長期休暇の間会えなかったのが寂しかったぞ!」
「うん? 休みの間に頭の手術でもしたの?」
「いや、アリスに相応しい男になる為に色々と頑張ったんだぞ!」

 なぜそこに私の名前が出てきたのかは判らないけど、『超ウザい』から『ウザい』に変わっていて、次の長期休暇の後には『ちょっとウザい』位になってるのかなって少しだけ期待した。

 クラスメイトとの再会を喜んだ後は、始業式に出席して後期の初日を終えたの。

§ジャミア視点§
 長期休暇の間に田舎貴族のガキ共を邪神徒とした。後期が始まると中央貴族のガキ共も戻るので、奴等より優秀な者を神徒に迎えて、我の勢力を一気に拡大する糧になってもらう。

 始業式が行われる大講堂で品定めをしていると、信じられない者が居たのだ。七神女神の全ての加護を持つ少女なのだが、加護に守られているからなのか? アリス.フェリシアという名と、7つの加護を持っていることしか見ることができなかった。

(アレは七神女神の遣いなのか?)

 もしそうなら、下手に邪神徒拡大をすると七神女神に気づかれる。我が直接手を下せば仕留めることは可能だが、それは我が身の危険が伴うことになる。なにか策を練ってアレを封じる手段を考えねば……、七神女神を倒す前の腕慣らし程度に遊んでやるか!
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