激レア種族に転生してみた(笑)

小桃

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異世界転生 学園編

第76話 長期休暇②

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 マリアンヌを連れてダンジョンへと向かう前に、魔物の討伐に必要な装備を渡す。武器は普段から使用している扇を、防具は私達が身に着けているインナーと【胸当てチェストアーマー】【篭手ガントレット】【脛当て《グリーヴ》】【腰当てフォールズ】を用意したの。

「ダンジョンへ行く前に、マリアンヌにこの装備一式を渡しておくね。私達のような個別に調整した物じゃないけど、市販の物よりは性能はいいと思うよ」
「ありがとうございます。これはミスリルの扇? 防具の方は見たことがない金属なのですが?」
「扇はミスリルとダマスカスの合金だから魔法を纏わすことができるよ。インナーカラーは龍鱗を浸透させたアラクネの糸で作った物で、防具はダマスカスとミスリル合金だね」
「えっ……、この装備は貴族でも揃えることができない程に、高級な物なのですが……」

 貴族でも揃えることができないと驚いているけど、どの素材も大量にある物だし、命を守る物だからプライスレスなんだよね。
「そうなの? そこは気にしなくていいよ。友達の命を守る物だから気にする必要はないよ」
「友達……、ありがとうございます」

 涙を浮かべながら感謝を口にすると、早速装備を身に着けてからダンジョンへ出発する。まずはユーザニア市へ転移してから、嘆きの地下迷宮でマリアンヌの実力を見定めるの。

 ダンジョンに着く前に、扉を開けたら王都からユーザーニア市に移動したことに驚いたマリアンヌに、転移の仕組みを教えるのに少し時間がかかったけど、嘆きの地下迷宮に到着してダンジョンアタックを開始した。

「ここからはマリアンヌがメインで魔物を討伐してね。私達がサポートするから安心してね」
「はい」

 予想はしていたけど、人との模擬戦闘程度しか経験のないマリアンヌは、独特な動きをする魔物との戦闘に苦戦を強いられた。私も角兎と初めて戦った時は、結構な怪我をしたから仕方ない。だけど、私達とダンジョン攻略をするには明らかに力不足で、同じ階層へ連れて行くことは無理だと思ったの。

「そろそろ休憩にしようか」
「はぁ、はぁっ……、はい」
「対人と違ってさ、かなり特殊な動きはなかなか苦労するでしょ?」
「はい、私ではアリス様の向かう場所にはお供できません……」

 自分の力量を見極めた言葉には、悔しさを滲ませていた。私も同じ考えなので、休憩をしながら明日からの方針を伝えたの。

「明日からはメイド達とダンジョン攻略をしてもらおうかと思うの。メイドは5階層辺りで訓練してるから丁度よいと思うんだよね」
「判りました」
「じゃあ、休憩が終わったら、もう少し討伐を頑張ろうね」
「はい」

 休憩後もマリアンヌがメインで討伐をして、最後は『ヘトヘト』状態になったところで討伐訓練を終えると、翌日からは守衛のフォローにより低層階の魔物を討伐して、ガッツリとレベリングを開始したの。

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