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異世界転生 学園編
第75話 長期休暇
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§マリアンヌ視点§
長期休暇に入ってからはアリス様の屋敷で毎日を過ごしている。これまでのお泊り会と違ってお客様扱いではなく、ゼシカ・アナ・リューネの3人と同じ従者扱いだ。
従者として朝は、守衛達と模擬戦を行うことから始める。従者3人の強さは判っていたけど、守衛の人達は3人には劣るけどめちゃくちゃ強かった。こんなハイレベルな武術訓練をしてるのか……
「はぁ、はぁっ……、キツイ」
「ふふっ、この休暇中に慣れるわよ」
「こ、これを毎日してるの……?」
「そうよ。日々の鍛錬を怠らずに続けないと、アリス様と一緒に行動をすることはできないもの」
ゼシカが声をかけながら水筒とタオルを渡してくれたが、全く息切れしてないことにショックを受けた。この場に居ないアリス様はこの中の誰より強いのだから、行動を共にするには当然のことなのね。
水分補給をしてタオルで汗を拭っていると、メイド長のシオンがアリス様の目覚めを知らせに来た。寝ることが大好きなので、自然に目覚めるまで誰も起こすことはないらしい。
「ゼシカ様、アリスが目覚められました」
「ありがとう。朝の稽古はここまで、朝のご挨拶をしに大浴場へ向かうわよ」
毎週末のお泊り会に来ていたけど、大浴場というワードは初めて聞いた。部屋に備え付けられている浴室でも、実家のものより遥かに大きいのに、大浴場ってどれだけ多いのだろうと期待してしまう。
大浴場に着くと、脱衣所の時点で私の使っている部屋よりも大きくて、そこには乱雑に服が脱ぎ捨てられていた。『ふふっ』と笑みを浮かべながらリューネが服を綺麗に畳むと、全員が服を脱ぎだした。
「えっ、アリス様に挨拶するだけじゃ?」
「挨拶と湯浴みから始まるのよ。さぁ、早く服を脱いで入るわよ」
同性とはいえ、人前で一糸まとわぬ姿を見せたことはない。ゼシカ達は『パッパッ』と服を脱ぎ全裸になった。なかなか服を脱がない私に目を向けると、不思議そうな顔をしていた。
「早く脱がないと挨拶に行けないわよ?」
「あ、うん、判った……」
私は意を決して服を脱いで、3人の後に続いて大浴場へと入った。
「「アリス様、おはようございます」」
「うん、おはよう!目覚めの湯浴みは最高だね」
そこには、全身を洗い終わってミネバに泡を流し終えたばかりのアリス様が居た。
(ヤバい……、直視したら気絶しそうだ)
英傑学園の更衣室で見た時は、下着を身に着けていたけど、目の前のアリス様は全裸でその姿は『完璧』としか言いようがなかったの……。
まだ未熟な身体が恥ずかしくなり思わず胸を隠すと、そのことに気づいたミネバが声をかけてきた。
「隠すことはないわよ? 私の胸も小ぶりだけど、アリスはそれを可愛いと言ってくださるの」
「でも……」
そんな言葉を聞いてもまだ戸惑っていると、アリス様がゆっくりと近づいてくる。そして胸を隠す手を取って優しく語りかけられた。
「うん、人には個性による違いがあるでしょ? それぞれの個性が美しいんだよ。今の姿もこれから成長していく姿の全てが美しいの。だから恥ずかしがることはないよ」
「アリス様!」
本当にアリス様は女神だと思う。かけられた言葉によって私の持っていたコンプレックスは、一瞬で解消されたのだった。
長期休暇に入ってからはアリス様の屋敷で毎日を過ごしている。これまでのお泊り会と違ってお客様扱いではなく、ゼシカ・アナ・リューネの3人と同じ従者扱いだ。
従者として朝は、守衛達と模擬戦を行うことから始める。従者3人の強さは判っていたけど、守衛の人達は3人には劣るけどめちゃくちゃ強かった。こんなハイレベルな武術訓練をしてるのか……
「はぁ、はぁっ……、キツイ」
「ふふっ、この休暇中に慣れるわよ」
「こ、これを毎日してるの……?」
「そうよ。日々の鍛錬を怠らずに続けないと、アリス様と一緒に行動をすることはできないもの」
ゼシカが声をかけながら水筒とタオルを渡してくれたが、全く息切れしてないことにショックを受けた。この場に居ないアリス様はこの中の誰より強いのだから、行動を共にするには当然のことなのね。
水分補給をしてタオルで汗を拭っていると、メイド長のシオンがアリス様の目覚めを知らせに来た。寝ることが大好きなので、自然に目覚めるまで誰も起こすことはないらしい。
「ゼシカ様、アリスが目覚められました」
「ありがとう。朝の稽古はここまで、朝のご挨拶をしに大浴場へ向かうわよ」
毎週末のお泊り会に来ていたけど、大浴場というワードは初めて聞いた。部屋に備え付けられている浴室でも、実家のものより遥かに大きいのに、大浴場ってどれだけ多いのだろうと期待してしまう。
大浴場に着くと、脱衣所の時点で私の使っている部屋よりも大きくて、そこには乱雑に服が脱ぎ捨てられていた。『ふふっ』と笑みを浮かべながらリューネが服を綺麗に畳むと、全員が服を脱ぎだした。
「えっ、アリス様に挨拶するだけじゃ?」
「挨拶と湯浴みから始まるのよ。さぁ、早く服を脱いで入るわよ」
同性とはいえ、人前で一糸まとわぬ姿を見せたことはない。ゼシカ達は『パッパッ』と服を脱ぎ全裸になった。なかなか服を脱がない私に目を向けると、不思議そうな顔をしていた。
「早く脱がないと挨拶に行けないわよ?」
「あ、うん、判った……」
私は意を決して服を脱いで、3人の後に続いて大浴場へと入った。
「「アリス様、おはようございます」」
「うん、おはよう!目覚めの湯浴みは最高だね」
そこには、全身を洗い終わってミネバに泡を流し終えたばかりのアリス様が居た。
(ヤバい……、直視したら気絶しそうだ)
英傑学園の更衣室で見た時は、下着を身に着けていたけど、目の前のアリス様は全裸でその姿は『完璧』としか言いようがなかったの……。
まだ未熟な身体が恥ずかしくなり思わず胸を隠すと、そのことに気づいたミネバが声をかけてきた。
「隠すことはないわよ? 私の胸も小ぶりだけど、アリスはそれを可愛いと言ってくださるの」
「でも……」
そんな言葉を聞いてもまだ戸惑っていると、アリス様がゆっくりと近づいてくる。そして胸を隠す手を取って優しく語りかけられた。
「うん、人には個性による違いがあるでしょ? それぞれの個性が美しいんだよ。今の姿もこれから成長していく姿の全てが美しいの。だから恥ずかしがることはないよ」
「アリス様!」
本当にアリス様は女神だと思う。かけられた言葉によって私の持っていたコンプレックスは、一瞬で解消されたのだった。
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