激レア種族に転生してみた(笑)

小桃

文字の大きさ
上 下
179 / 225
異世界転生 学園編

第73話 邪神徒拡大

しおりを挟む
 予想以上に邪神徒の拡大が早い。この調子ならば我の完全復活の日も近いだろう。

 貧しく苦しい生活を送る者達を堕として、我を信じさせるのは簡単だった。辺境の地の小さな町を1つ堕としてからは、噂が広がり平民だけではなく、やがて領地を持たない極貧貴族まで邪神徒となり、完全に邪神教と言っても過言ではなくなった。

 どのようにして大都市に邪神徒の拡大を図ろうかと思っていると、極貧貴族の子息女達が学園なる所へ通っていて、その学園というものは王都などの大都市にあるというのだ。これは僥倖で学園へ通う子息女達を、我の手駒として使い大都市での邪神教の拡大を図ることにした。

 辺境の地から王都にある学園へ通う、極貧貴族のダニエル.ファーム男爵令息は、貴族の者として最も熱狂的な邪神徒であるダンカン.ファーム男爵の長男だ。ダンカンに天啓を告げて邪神教の素晴らしさと、信仰の証となる黒く輝く石の欠片を、手紙とともにダニエルの下へ送らせたのだ。

§ダニエル視点§
 親父から手紙が届いた。領地を持たない貧乏貴族なので、手紙を送る金すら惜しいはず。それなのに手紙をよこすなんて、身内に何か起こったのかと思い慌てて封を開けた。

 封を開けると、そこには手紙だけではなく黒い石が入っていた。一瞬、宝石かと思い売れば金になると思い喜んでいたが、手紙を読むと邪神教という宗教の信仰の証らしい。

 七神女神ではなく邪神ジャミア様を信仰することで、痩せた土地が豊かになり、食う物に困っていた極貧生活が少しずつ改善して、生活環境が劇的に変わったという内容だった。そして最後に『お前も邪神ジャミア様を信仰しろ。その石を常に身に着けて、毎日祈りを捧げれば天啓が下るだろう』そんな言葉が記されていた。
 辺境の地出身の貧乏貴族と、周りのクラスメイトから冷遇されても七神女神は救ってくれない。それなら親父の言う通り邪神ジャミアというものを、信じてみるのも悪くはないと思った。

「物は試しだ。この石を身に着けて何かが変われば儲けものだ。邪神ジャミア様、今の俺の環境が少しでも良くしてください」

 親父の手紙を受け取ってからは、1日の終りの時に必ず黒い石を握り締め、邪神ジャミア様へ祈りを捧げる日を送るようになったのだった。

『ふふっ、ダニエルよ貴様の願いを叶えよう!』

※祈りを捧げ続けたダニエルに天啓が下り、英傑学園に通う生徒から邪神徒第一号が誕生したのだった。

しおりを挟む
感想 35

あなたにおすすめの小説

5歳で前世の記憶が混入してきた  --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--

ばふぉりん
ファンタジー
 「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は 「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」    この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。  剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。  そんな中、この五歳児が得たスキルは  □□□□  もはや文字ですら無かった ~~~~~~~~~~~~~~~~~  本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。  本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。  

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!

八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。 『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。 魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。 しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も… そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。 しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。 …はたして主人公の運命やいかに…

実はスライムって最強なんだよ?初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ…

小桃
ファンタジー
 商業高校へ通う女子高校生一条 遥は通学時に仔犬が車に轢かれそうになった所を助けようとして車に轢かれ死亡する。この行動に獣の神は心を打たれ、彼女を転生させようとする。遥は獣の神より転生を打診され5つの希望を叶えると言われたので、希望を伝える。 1.最強になれる種族 2.無限収納 3.変幻自在 4.並列思考 5.スキルコピー  5つの希望を叶えられ遥は新たな世界へ転生する、その姿はスライムだった…最強になる種族で転生したはずなのにスライムに…遥はスライムとしてどう生きていくのか?スライムに転生した少女の物語が始まるのであった。

屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。

彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。 父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。 わー、凄いテンプレ展開ですね! ふふふ、私はこの時を待っていた! いざ行かん、正義の旅へ! え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。 でも……美味しいは正義、ですよね? 2021/02/19 第一部完結 2021/02/21 第二部連載開始 2021/05/05 第二部完結

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

異世界に召喚されたけど間違いだからって棄てられました

ピコっぴ
ファンタジー
【異世界に召喚されましたが、間違いだったようです】 ノベルアッププラス小説大賞一次選考通過作品です ※自筆挿絵要注意⭐ 表紙はhake様に頂いたファンアートです (Twitter)https://mobile.twitter.com/hake_choco 異世界召喚などというファンタジーな経験しました。 でも、間違いだったようです。 それならさっさと帰してくれればいいのに、聖女じゃないから神殿に置いておけないって放り出されました。 誘拐同然に呼びつけておいてなんて言いぐさなの!? あまりのひどい仕打ち! 私はどうしたらいいの……!?

処理中です...