173 / 225
異世界転生 学園編
第67話 アルフォンスの怒り
しおりを挟む
ゼシカ達と出会った経緯を簡単に説明してると、3人とも懐かしそうに私の話を聞いていた。
メグ先生は、私の話を聞いて『ふむふむ』と頷きながらメモを取り、マリアンヌ達は私が1人で生き抜いてきたことに驚いていた。
「そんな……、この世に生を受けてから、ゼシカさんに出会うまで1人生き抜くって、どれだけ過酷な人生を送ってきたのですか……」
「僕のこれまでの努力なんてぬるかったよ。極限の状態で生き抜くことで、その強さを身に着けたんだね」
マリアンヌは涙を浮かべながら語り、アルフォンス君も同じようなことを言っていた。マルクセス君は2人の言葉に頷いていた。
「おい、お前達!我を放っておいてこんな所で何をしているのだ!」
しんみりとしていた場の空気が、バカの登場でガラリと変わった。
「何って、見れば判るでしょ? みんなでケーキを食べながら楽しい時間を過ごしているんだけど?」
「なぜ我を誘わんのだ!」
「ん~、偉そうでウザいからかな?」
「!?」
「「ぷっ……、あははははぁ~」」
私の一言でリオネル君の顔が真っ赤になると、その場に居たみんなが大笑いした。怖い顔をしたリオネル君の付き人が、私に近づいてきて何かを言おうとすると、メグが席を立って付き人の行く手を阻んで警告をする。
「ここは学園内で、生徒達は全てにおいて平等なのです。生徒同士の問題に介入しようとするのなら、学園の教師として見過ごすことはできないのです」
「なっ……、私は第一王子の付き人だぞ。平民の女如きが、王子へあのような態度をとったのだ、見過ごせる訳がないだろう!」
「学園内では身分による上下はないのです。なので、彼はグリエル英傑学園のただの生徒に過ぎません」
メグ先生が学園内の平等を訴えると、付き人は激昂して腰に手を当て剣を抜こうとした瞬間、アルフォンス君が付き人に怒り気味に声をかけた。
「お前が剣を抜けば、ヴァカルディア王国の王子に剣を向けたことになるが良いんだね?」
「テイタニア帝国の皇子にも、剣を向けたことにもなると思ってくれよ?」
アルフォンス君に続いてマルクセス君も、付き人に向かって同様に声をかけた。
「なっ、私はそこの平民に向かって」
付き人が言い切る前に言葉を遮って、怒りの言葉を言い放った。
「僕の友人にふざけたことを言うなよ? お前の国が作ったルールに従わないのなら、僕はヴァカルディア王国の王子としてグリエル王に抗議するぞ」
「!?」
「おい、何も言わずに去るなよ? 僕の友人に謝罪をしてから去るのが当然だろ」
「くっ、申し訳ない……」
「次はないぞ? 判ったら僕の視界から消えろ」
「……」
リオネル君の付き人は、悔しそうに歯を噛み締めながらカフェを去って行く。もしアルフォンス君が間に入ってくれなかったら、私は拒絶を使って付き人に罰を与えていたと思う。なので、使わずに済んだことに感謝した。
メグ先生は、私の話を聞いて『ふむふむ』と頷きながらメモを取り、マリアンヌ達は私が1人で生き抜いてきたことに驚いていた。
「そんな……、この世に生を受けてから、ゼシカさんに出会うまで1人生き抜くって、どれだけ過酷な人生を送ってきたのですか……」
「僕のこれまでの努力なんてぬるかったよ。極限の状態で生き抜くことで、その強さを身に着けたんだね」
マリアンヌは涙を浮かべながら語り、アルフォンス君も同じようなことを言っていた。マルクセス君は2人の言葉に頷いていた。
「おい、お前達!我を放っておいてこんな所で何をしているのだ!」
しんみりとしていた場の空気が、バカの登場でガラリと変わった。
「何って、見れば判るでしょ? みんなでケーキを食べながら楽しい時間を過ごしているんだけど?」
「なぜ我を誘わんのだ!」
「ん~、偉そうでウザいからかな?」
「!?」
「「ぷっ……、あははははぁ~」」
私の一言でリオネル君の顔が真っ赤になると、その場に居たみんなが大笑いした。怖い顔をしたリオネル君の付き人が、私に近づいてきて何かを言おうとすると、メグが席を立って付き人の行く手を阻んで警告をする。
「ここは学園内で、生徒達は全てにおいて平等なのです。生徒同士の問題に介入しようとするのなら、学園の教師として見過ごすことはできないのです」
「なっ……、私は第一王子の付き人だぞ。平民の女如きが、王子へあのような態度をとったのだ、見過ごせる訳がないだろう!」
「学園内では身分による上下はないのです。なので、彼はグリエル英傑学園のただの生徒に過ぎません」
メグ先生が学園内の平等を訴えると、付き人は激昂して腰に手を当て剣を抜こうとした瞬間、アルフォンス君が付き人に怒り気味に声をかけた。
「お前が剣を抜けば、ヴァカルディア王国の王子に剣を向けたことになるが良いんだね?」
「テイタニア帝国の皇子にも、剣を向けたことにもなると思ってくれよ?」
アルフォンス君に続いてマルクセス君も、付き人に向かって同様に声をかけた。
「なっ、私はそこの平民に向かって」
付き人が言い切る前に言葉を遮って、怒りの言葉を言い放った。
「僕の友人にふざけたことを言うなよ? お前の国が作ったルールに従わないのなら、僕はヴァカルディア王国の王子としてグリエル王に抗議するぞ」
「!?」
「おい、何も言わずに去るなよ? 僕の友人に謝罪をしてから去るのが当然だろ」
「くっ、申し訳ない……」
「次はないぞ? 判ったら僕の視界から消えろ」
「……」
リオネル君の付き人は、悔しそうに歯を噛み締めながらカフェを去って行く。もしアルフォンス君が間に入ってくれなかったら、私は拒絶を使って付き人に罰を与えていたと思う。なので、使わずに済んだことに感謝した。
152
お気に入りに追加
925
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
実はスライムって最強なんだよ?初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ…
小桃
ファンタジー
商業高校へ通う女子高校生一条 遥は通学時に仔犬が車に轢かれそうになった所を助けようとして車に轢かれ死亡する。この行動に獣の神は心を打たれ、彼女を転生させようとする。遥は獣の神より転生を打診され5つの希望を叶えると言われたので、希望を伝える。
1.最強になれる種族
2.無限収納
3.変幻自在
4.並列思考
5.スキルコピー
5つの希望を叶えられ遥は新たな世界へ転生する、その姿はスライムだった…最強になる種族で転生したはずなのにスライムに…遥はスライムとしてどう生きていくのか?スライムに転生した少女の物語が始まるのであった。

最強の赤ん坊! 異世界に来てしまったので帰ります!
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
病弱な僕は病院で息を引き取った
お母さんに親孝行もできずに死んでしまった僕はそれが無念でたまらなかった
そんな僕は運がよかったのか、異世界に転生した
魔法の世界なら元の世界に戻ることが出来るはず、僕は絶対に地球に帰る

調子に乗りすぎて処刑されてしまった悪役貴族のやり直し自制生活 〜ただし自制できるとは言っていない〜
EAT
ファンタジー
「どうしてこうなった?」
優れた血統、高貴な家柄、天賦の才能────生まれときから勝ち組の人生により調子に乗りまくっていた侯爵家嫡男クレイム・ブラッドレイは殺された。
傍から見ればそれは当然の報いであり、殺されて当然な悪逆非道の限りを彼は尽くしてきた。しかし、彼はなぜ自分が殺されなければならないのか理解できなかった。そして、死ぬ間際にてその答えにたどり着く。簡単な話だ………信頼し、友と思っていた人間に騙されていたのである。
そうして誰もにも助けてもらえずに彼は一生を終えた。意識が薄れゆく最中でクレイムは思う。「願うことならば今度の人生は平穏に過ごしたい」と「決して調子に乗らず、謙虚に慎ましく穏やかな自制生活を送ろう」と。
次に目が覚めればまた新しい人生が始まると思っていたクレイムであったが、目覚めてみればそれは10年前の少年時代であった。
最初はどういうことか理解が追いつかなかったが、また同じ未来を繰り返すのかと絶望さえしたが、同時にそれはクレイムにとって悪い話ではなかった。「同じ轍は踏まない。今度は全てを投げ出して平穏なスローライフを送るんだ!」と目標を定め、もう一度人生をやり直すことを決意する。
しかし、運命がそれを許さない。
一度目の人生では考えられないほどの苦難と試練が真人間へと更生したクレイムに次々と降りかかる。果たしてクレイムは本当にのんびり平穏なスローライフを遅れるのだろうか?
※他サイトにも掲載中
異世界で俺だけレベルが上がらない! だけど努力したら最強になれるらしいです?
澤檸檬
ファンタジー
旧題 努力=結果
異世界の神の勝手によって異世界に転移することになった倉野。
実際に異世界で確認した常識と自分に与えられた能力が全く違うことに少しずつ気付く。
異世界の住人はレベルアップによってステータスが上がっていくようだったが、倉野にだけレベルが存在せず、行動を繰り返すことによってスキルを習得するシステムが採用されていた。
そのスキル習得システムと異世界の常識の差が倉野を最強の人間へと押し上げていく。
だが、倉野はその能力を活かして英雄になろうだとか、悪用しようだとかそういった上昇志向を見せるわけでもなく、第二の人生と割り切ってファンタジーな世界を旅することにした。
最強を隠して異世界を巡る倉野。各地での出会いと別れ、冒険と楽しみ。元居た世界にはない刺激が倉野の第二の人生を彩っていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる