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異世界転生 学園編
第57話 智の巨人
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私達は授業が始まるまでの間は、席について雑談を楽しんでいた。すると教室のドアが開いてグレイヘアーの小柄な女性が入室して教壇に立った。
「みなさんお待たせです。魔術理論を担当する【メグ.ハートフィールド】てす。みなさんが使ってる魔法は魔術理論により発動しているのです。現在使われている魔法は全て魔術理論が確立された物ばかりです。魔術理論さえ構築できれば、新たな魔法を発動させる事が可能となるのです」
「「はい」」
うん、当たり前の事を言ってるね。複合魔法なんて魔術理論を組み合わせている訳だからね。魔法書に記載されている魔術理論さえ理解していれば、属性の適性があれば発動できるからね。
でも、周りの生徒達の反応は全く違っていて、大きく頷きながらメモを取っていたのだった。
「流石は【智の巨人】と言われているハートフィールド先生だ。魔法と魔術理論の関係性を的確に説明されている」
「ハートフィールド先生なら、現存魔法以外の新魔法の魔術理論を開発させるのでしょうね」
尊敬の眼差しを送りながら、メグ先生のことを称える声が聞こえていたの。学生だから仕方ないけど、自分で魔術理論を考えないんだね。私なんて色々なことを考えちゃうんだけどね。
私は普段使いしている複合魔法が、魔術理論として成り立っているのか確認しようと思った。智の巨人と言われるハートフィールド先生が、どんな反応するのか見てみたいからね。
私は手を挙げてから席を立って質問をする。
「あの、土魔法の鉄槍に雷を纏わせるという複合魔法は、魔術理論として成り立つのでしょうか?」
「はい、理論としては成り立つと思います。ただ、土魔法から鉄を発現させる事はかなり難しいのです。さらに雷を纏わせると言いましたが、雷の適性者はこの世に存在してないはずです。その面白い発想力は素晴らしいです」
うん、理論は正しいけど難しいらしい。雷に関しては唯一スキルだから、私以外は使えないから仕方ないね。魔術理論の先生だけあって、私の理論に興味を示したので、複合魔法を見せてあげることにした。
「先生、私の魔術理論で作った魔法を見せるね」
「えっ?」
まずは土魔法で鉄槍を発現させる。次に鉄槍に雷を纏わして帯電させると、複合魔法の雷鉄槍が出来上がった。『バチバチ』と雷を帯びた鉄槍を見て、ハートフィールド先生以外のクラスメイトも驚いた。
「そ、それが、複合魔法なのですか?」
「うん、鉄と雷という2つの要素を兼ね備えた複合魔法だよ」
「あ、貴女は……それを誰から教わったのですか?」
披露した雷鉄槍を消すと、ハートフィールド先生は私の元へ駆け寄って来て、複合魔法の理論を作った者を聞いてきたので、隣のゼシカが自慢気に応えたの。
「愚問ですね、アリス様は誰からも教わりません。ご自分の知識で魔術理論を構築されたのです」
「私より遥か先へと進んでいるのです。アリス様、私の師となり不出来な弟子にご指導してください」
うん、見せなければ良かった……。隣の従者達は『うんうん』と頷いて納得したようだ。この日より【智の巨人 ハートフィールド】は私の弟子になったの。
「みなさんお待たせです。魔術理論を担当する【メグ.ハートフィールド】てす。みなさんが使ってる魔法は魔術理論により発動しているのです。現在使われている魔法は全て魔術理論が確立された物ばかりです。魔術理論さえ構築できれば、新たな魔法を発動させる事が可能となるのです」
「「はい」」
うん、当たり前の事を言ってるね。複合魔法なんて魔術理論を組み合わせている訳だからね。魔法書に記載されている魔術理論さえ理解していれば、属性の適性があれば発動できるからね。
でも、周りの生徒達の反応は全く違っていて、大きく頷きながらメモを取っていたのだった。
「流石は【智の巨人】と言われているハートフィールド先生だ。魔法と魔術理論の関係性を的確に説明されている」
「ハートフィールド先生なら、現存魔法以外の新魔法の魔術理論を開発させるのでしょうね」
尊敬の眼差しを送りながら、メグ先生のことを称える声が聞こえていたの。学生だから仕方ないけど、自分で魔術理論を考えないんだね。私なんて色々なことを考えちゃうんだけどね。
私は普段使いしている複合魔法が、魔術理論として成り立っているのか確認しようと思った。智の巨人と言われるハートフィールド先生が、どんな反応するのか見てみたいからね。
私は手を挙げてから席を立って質問をする。
「あの、土魔法の鉄槍に雷を纏わせるという複合魔法は、魔術理論として成り立つのでしょうか?」
「はい、理論としては成り立つと思います。ただ、土魔法から鉄を発現させる事はかなり難しいのです。さらに雷を纏わせると言いましたが、雷の適性者はこの世に存在してないはずです。その面白い発想力は素晴らしいです」
うん、理論は正しいけど難しいらしい。雷に関しては唯一スキルだから、私以外は使えないから仕方ないね。魔術理論の先生だけあって、私の理論に興味を示したので、複合魔法を見せてあげることにした。
「先生、私の魔術理論で作った魔法を見せるね」
「えっ?」
まずは土魔法で鉄槍を発現させる。次に鉄槍に雷を纏わして帯電させると、複合魔法の雷鉄槍が出来上がった。『バチバチ』と雷を帯びた鉄槍を見て、ハートフィールド先生以外のクラスメイトも驚いた。
「そ、それが、複合魔法なのですか?」
「うん、鉄と雷という2つの要素を兼ね備えた複合魔法だよ」
「あ、貴女は……それを誰から教わったのですか?」
披露した雷鉄槍を消すと、ハートフィールド先生は私の元へ駆け寄って来て、複合魔法の理論を作った者を聞いてきたので、隣のゼシカが自慢気に応えたの。
「愚問ですね、アリス様は誰からも教わりません。ご自分の知識で魔術理論を構築されたのです」
「私より遥か先へと進んでいるのです。アリス様、私の師となり不出来な弟子にご指導してください」
うん、見せなければ良かった……。隣の従者達は『うんうん』と頷いて納得したようだ。この日より【智の巨人 ハートフィールド】は私の弟子になったの。
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