激レア種族に転生してみた（笑）

異世界転生 学園編

第47話 暗躍する従者

　リオネル襲来の騒ぎも一段落して、ようやく帰宅することができたので、馬車に乗り込んで屋敷を目指したの。

「あの馬鹿王子は、今後もアリス様に絡んで来そうなので、要注意人物として警戒することにします」
「姉様、警戒するのは面倒。消しちゃおうよ」

　ゼシカがもの凄く不機嫌な表情で、リオネル君のことを警戒すると言うと、リューネが過激なことを言い出すので放ってはおけない。馬鹿とはいえ一国の王子だから、消したら大問題になるので、それだけは面倒ごとは御免被りたい。

「ダメダメ！消しちゃダメだからね？　あまりにウザかったら〚拒絶〛で絡まないようにするから！」
「かしこまりました」

　リューネはかなり不満そうな表情だったけど、従者達は私の決めたことには従ってくれるので、リオネル君を消すことはしないと思う。ただ、模擬戦で当たった時に、うっかり殺しちゃったりしないか不安かな？

　屋敷に戻ると、ルミナスの森からフランシスコがやって来て、初めての授業の感想を聞いてきた。

「アリス様、初めての授業はどうでしたか？　馬鹿な輩に絡まれたりはしませんでしたか？」
「授業は楽しかったよ。馬鹿と言って良いのか判らないけど、グリエル王国の第一王子がウザかったよ」
「あの馬鹿ですか……、模擬戦でうっかり殺せばよろしいのでは？」
「「なら、私が！」」
「ダメだからね！絶対に揉めちゃうからダメ！」

　フランシスコの言葉を聞いた3人が、殺る気まんまんで返事をするから慌てて止めたけど、本当に従者達が過激すぎて困っちゃうよ……

§従者達の語らい§
　アリスが就寝した後、サロンに従者が集まると、ゼシカが英傑学園であったことを話し始めた。

「クラスの男共がアリス様に好意を持ってるのは、ギラギラとした目を見れば一目瞭然。私としては処分してやりたいと思いました」
「死なない程度に痛めつけるのは、アリス様もダメとは言っておられないのでは？」

　ミネバが殺さなければ問題ないと発言すると、その場にいた全員が目を見開いた。
「！？」
「とりあえず、クラスメイトに手を出すと気付かれる可能性があるので、他のクラスの生徒がなにかしてきた時は、後悔する程の苦痛を与えてやります」
「学園のことは任せたよ。ルミナスの森の住民の全てがアリス様を信仰させてみせるよ」
「「全てはアリス様の為に！」」

　そして翌日からは、アリスの知らないところで3人の従者が暗躍することで、Sクラス以外の男子生徒が原因不明の大怪我を負うという怪事件が、続発することになったのだった。