激レア種族に転生してみた（笑）

異世界転生 学園編

第41話 模擬戦④

　リューネに勝ったブルース先生は真顔で、大きく深呼吸してから口を開いた。

「驚いたな。例年の新入生なら余裕で首席だっただろうに……、それが肆席とは運が悪いとしか言いようがないな」
「問題ない。アリス様が居ない学園に興味はない」

　リューネの実力だと、『例年なら首席』みたいなことをブルース先生に言われたけど、本人は全く興味がないようで素っ気なく返事した。

「ははっ、首席に興味がないか……、次は参席のゼラーシュカだな」
「はい、よろしくお願いします」

　ゼシカはゆっくりと闘技場にあがると、刀弓を構えたところで合図が出たので模擬戦が始まった。

　ブルース先生は、ゼシカが弓を射る動作に入る前に間を詰めて、軽い突きを放って時間を与えない。ゼシカは刀弓のリムブレード部分で突き捌いていく。

「この模擬戦では弓は相性が悪かったな」
「そのようですが、私は弓を射るだけではありませんので、全く問題ありません」
　ブルース先生の言葉に動じることもなく、突きを捌きながら身体を瞬時に回転して、刀弓のリムブレード部分で回転斬りを放った。

『シュッ』
『ガキッ！』
「なるほど、弓だけじゃなくて刀としても使えるのか、油断してたら危なかったかもな」
　ブルース先生は油断することなく、ゼシカの一撃を槍で受け止めた。ゼシカはすぐに矢を手にして、弓で射るのではなくそのまま突いたけど、ブルース先生のバックステップによって躱された。その行動はゼシカの想定通りだったようで、距離が開いたことで弓を構えて矢を3本射った。

『シュババッ！』
『ガッ、ガッ、ガン！』」

　ブルース先生は左右の槍で矢を防ぐも、ゼシカは既に上に向かって矢を射っていた。上から降り注ぐ矢に気を取られたブルース先生に隙ができ、ゼシカは腰のホルダーに収めていた短剣を投げる。

「そこっ！」
『シュッ』
「うぉっと、危ねぇ！」

　ブルース先生は瞬時に上体を反らし躱したけど、上から降り注ぐ矢が襲ってくる。なんとか槍を回転させて矢を防ぎきったところへ、ゼシカは間合いを詰めてリムブレードで斬り掛かるが、これはブルース先生も予測をしていたようで、槍を思い切り振り上げてリムブレードを弾いてから、ゼシカの首元へ槍を寸止めしたところで決着がついた。

「参りました」
「ふぅ～、近接戦闘でここまで戦える弓使いなんて、俺は見たことがないな。冗談抜きで見事な戦いだったよ」
「そうですか。次は必ず勝ってみせます」
「おぅ、すぐに勝てるようになるだろう。楽しみにしてるからな！次は次席のアナスタシアだな！」
「はい、お願いします」

　アナは落ち着いた様子で闘技場へ上がって、レイピアを構えたところで合図があり模擬戦が始まったのだった。