激レア種族に転生してみた（笑）

異世界転生 学園編

第40話 模擬戦③

　その後もブルース先生は、デッカード君、セイレーンさんを寄せ付けることなく退けた。

「次はアルファス！」
「はい」

　アルフォンス君が闘技場へ軽くジャンプしてあがっていくと、両手で剣を持って構えたところで声がかかり模擬戦が始まる。
　アルフォンス君が先に動いて間合いを詰めようとしたけど、ブルース先生は軽い突きで出端をくじいて詰めさせず、徐々に突きの威力をあげて押し返していく。不利な状況になったアルフォンス君は、一旦距離をとる為に大きくバックステップを踏む。

「悪手だな」
「くそっ、読まれてたか……」

　ブルース先生はそう言って後に、バックステップで着地した瞬間のアルフォンス君の腹部に、突きを入れて場外へ突き出して勝負がついた。

「苦し紛れで距離を取りたいのは判るが、力の差がある相手に迂闊に下がるのは悪手だと覚えておけ」
「はい……」

　ブルース先生は息が乱れることもなく、闘技場の中央に戻って次の生徒へ声をかける。

「次は、マルクセス！」
「いつでもOKですよ！」

　ブルース先生と同じ槍を手にしたマルクセス君は、開始の合図と同時に仕掛けるかと思ったら、ブルース先生も間合いを詰めて攻勢に出た。予想外のことにマルクセス君の出足が鈍って受けに回ってしまう。

「絶対に来ないなんて顔をしてたぞ？」
「くっ……」

　仕掛けてくることはない。との思い込みからの油断で、ブルース先生の猛ラッシュを防ぐことはできず、一気に押し切られて勝負がついた。

「戦いの中で油断は命取りだぞ」
「くそっ！」

　何もすることなく一瞬で終わって、悔しさを滲ませているのもお構いなしに、次の生徒を呼ぶ。

　次からは私の従者達の出番となる。

「なんだ、手応えがないな。俺の学生時代の方がもっと強かったぞ？　次はリューネブルックだな！」
「はい……」

　リューネは面倒くさそうに返事をしてから、大剣を片手に持ちながら闘技場へとあがる。ブルース先生の正面に立って、互いに武器を構えたところで模擬戦が始まった。
　リューネは下段の構えから、ブルース先生との間合いを一気に詰めてから力一杯に大剣で斬り上げると、双槍をクロスさせて大剣を受け止めたけど、予想外の威力だったのかバランスを少し崩した。

「うぉ……、なんて威力だよ！」
「……決める」

　リューネは間髪入れずに、剣先をブルース先生へ向けて突きを放った。先ほどまでのような余裕はなく、バックステップでギリギリ突きを躱したけど、リューネはさらに追撃の突きを放つ。

「次こそ決める」
「ちっ、まじかよ！」

　ブルース先生は槍を振り上げて、突きをなんとか受け流したけど、リューネは上に流された大剣を力で振り下ろそうとする。ブルース先生は『待ってました』と言わんばかりに、槍の石突でリューネの鳩尾に突きを入れるとそのまま両膝をついてしまった。

「無理、参った」
「ふぅ～、面白い戦いだったな」

　これまでの模擬戦で最も善戦したけど、ブルース先生の連勝は継続して残り3人となった。