上 下
139 / 225
異世界転生 学園編

第33話 アルフォンス

しおりを挟む
 金髪に透き通るような青い瞳をした『The王子様』といった感じのイケメン王子、アルフォンス君が私に話しかけてきた。

「登校初日から大変だったね」
「そうだね。まぁ、平民だから仕方ないのかな?一応はお礼を言っとくね。ありがとう!」
「しかし、グリエル王国の貴族連中は……、リオネルを筆頭に馬鹿ばかりなんだね」
「貴族って全部あんな感じたと思ってたけど、アルフォンス様の国は違うの?」

 一応は第二王子と聞いたので、失礼のないように『様』をつけて話をすると、軽く笑いながら返事をしてきた。

「クラスメイトなんだから『様』は不要だよ。全く違うとは言い切れないけど、グリエル王国よりはましかな?ただ、貴族が特別な存在だと言われてるけど、それ程までに特別だとは思っていないんだよね」
「えっと、王族がそんな事を言っても大丈夫なの?」

 貴族よりもさらに上の階級になる王族が、そんなことを言っても大丈夫なのかと思ったので、そのまま質問として返すと、アルフォンス君は『あっ』という表情をしながら答えてくれた。

「あははっ、確かにそうだね。でも、この英傑学園は全てにおいて平等な場所だからさ、王族だとか貴族だとかを気にせずに発言しても良いんじゃないかな?さぁ、そろそろ教室へ行かないと授業に遅れるよ」
「そうだね。行き成り遅刻は不味いよね!」

 テンプレイベントを終えて、私達は教室へと急ぎ足で向かったのだった。
§アルフォンス視点§
 今日から授業が始まるので、正門から教室へと向かっていると、朝から騒ぎが起こっているようだ。
 留学先なので、あまり騒ぎに関わりたくないところだったが、絡まれているのはクラスメイトだった。しかも入学試験の首席合格者のアリス。平民が入学すること自体が稀なのに、首席合格なんてすれば貴族連中の目の敵にされるのは仕方ないかな?
 本来なら放っておくところだけど、初めて見る黒髪に金色の瞳をした美少女が絡まれてるのだから、見過ごすことはできないので助けに入る。

「英傑学園内では全てに平等だと聞いてるが、グリエル王国の貴族令息は親の権威をかざすか?」
「お前、誰に向かって言っるのだ!」
「さぁ?目の前の小者にかな?僕は【ヴァカルディア王国】第二王子アルフォンスだ」
「なっ……し、失礼致しました……」

 絡んでいた男達は、僕の名前を出すと逃げるように去って行った。

 そのあと少し会話をしたが、王族に取り入ろうとする素振りを見せなかった。そして、アリスの見惚れるような笑顔に魅入られたのだった。
しおりを挟む
感想 35

あなたにおすすめの小説

実はスライムって最強なんだよ?初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ…

小桃
ファンタジー
 商業高校へ通う女子高校生一条 遥は通学時に仔犬が車に轢かれそうになった所を助けようとして車に轢かれ死亡する。この行動に獣の神は心を打たれ、彼女を転生させようとする。遥は獣の神より転生を打診され5つの希望を叶えると言われたので、希望を伝える。 1.最強になれる種族 2.無限収納 3.変幻自在 4.並列思考 5.スキルコピー  5つの希望を叶えられ遥は新たな世界へ転生する、その姿はスライムだった…最強になる種族で転生したはずなのにスライムに…遥はスライムとしてどう生きていくのか?スライムに転生した少女の物語が始まるのであった。

豪華地下室チートで異世界救済!〜僕の地下室がみんなの憩いの場になるまで〜

自来也
ファンタジー
カクヨム、なろうで150万PV達成! 理想の家の完成を目前に異世界に転移してしまったごく普通のサラリーマンの翔(しょう)。転移先で手にしたスキルは、なんと「地下室作成」!? 戦闘スキルでも、魔法の才能でもないただの「地下室作り」 これが翔の望んだ力だった。 スキルが成長するにつれて移動可能、豪華な浴室、ナイトプール、釣り堀、ゴーカート、ゲーセンなどなどあらゆる物の配置が可能に!? ある時は瀕死の冒険者を助け、ある時は獣人を招待し、翔の理想の地下室はいつのまにか隠れた憩いの場になっていく。 ※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しております。

転生テイマー、異世界生活を楽しむ

さっちさん
ファンタジー
題名変更しました。 内容がどんどんかけ離れていくので… ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓ ありきたりな転生ものの予定です。 主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。 一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。 まっ、なんとかなるっしょ。

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。

女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません

青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。 だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。 女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。 途方に暮れる主人公たち。 だが、たった一つの救いがあった。 三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。 右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。 圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。 双方の利害が一致した。 ※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております

スキル【縫う】で無双します! 〜ハズレスキルと言われたけれど、努力で当たりにしてみます〜

藤花スイ
ファンタジー
お転婆娘のセネカは英雄に憧れているが、授かったのは【縫う】という非戦闘系のスキルだった。 幼馴染のルキウスは破格のスキル【神聖魔法】を得て、王都の教会に引き取られていった。 失意に沈むセネカに心ない言葉をかけてくる者もいた。 「ハズレスキルだったのに、まだ冒険者になるつもりなのか?」 だけどセネカは挫けない。自分のスキルを信じてひたすらに努力を重ねる。 布や皮は当たり前、空気や意識に至るまでなんだって縫ってゆく。 頑張っているうちにいつしか仲間が増えて、スキルの使い方も分かってきた。 セネカは創意工夫を重ねてどんどん強くなっていく。 幼馴染と冒険の旅に出る日を夢見ながらひたすらに己を鍛え上げていく。 魔物から村を守るために命を賭した両親のような英雄になることを目指してセネカは走り続ける。 「私のスキルは【縫う】。  ハズレだと言われたけれど、努力で当たりにしてきた」 これは一途にスキルを磨き、英雄となった少女の物語

クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される

こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる 初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。 なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています こちらの作品も宜しければお願いします [イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]

【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】  最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。  戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。  目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。  ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!  彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!! ※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中

処理中です...