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異世界転生 学園編

第31話 アリスのイタズラ

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 入学式が始まり理事長のありがたい話が始まって、早く終われば良いのにと思いながら話を聞く。

「みなさん、入学おめでとう。最難関といわれる入学試験に見事合格した精鋭中の精鋭です。我が英傑学園は実力至上主義を掲げています。力無きものは進級すらできずに英傑学園を去る事になるでしょう。己の力を示して卒業という栄光を掴み取って欲しい。グリエル英傑学園理事長 ハグリッド.デュ.グリエル」
『『パチパチパチ!』』

 実力至上主義とか言いながら、首席合格者の私を新入生代表という役目を取り消したじゃない。とか文句言ってやりたいなんて思ってると、本来なら私がいるはずだった壇上に1人の男子があがった。

「新入生総代!リオネル.デュ.グリエル様」

「はい!」

 あっ、私のことを睨んでたヤツじゃない!あれが新入生総代なんだね。見ただけでプライドの塊みたいな雰囲気をしてるけど、どんな話しをしてくれるのかな?ちょっとイタズラでもしてあげようかな。

「我はグリエル王国第一王子のリオネルだ。この世で最も高貴なる存在の1人である。そして新入生総代を務める我こそが、グリエル英傑学園創設以来、史上最高の傑物となるのだ。新入生全員に告げる我の……」

 と言った辺りでイタズラを開始する。私はエルメス様の加護『麗美之極』をMAX状態にする。そして壇上のリオネルに最高の笑顔で微笑んだの。

『ニコッ』
「!?」

 私と目が合った瞬間、リオネルは私の美しさに心を奪われ固まってしまった。

『ザワザワ……』

 突然リオネルが黙ってしまったので、会場がザワつき始める。私は『麗美之極』をOFFにしてノーマルのアリスに戻る。

(お~い、リオネル君!壇上で惚けてないで早く現実に戻っておいで~、会場がザワついてるよ~!)

 隣に居たゼシカたちも私に見惚れていたようで、『麗美之極』をOFFにしてようやく我に返った。少し遅れてリオネルも我に返ったようで、首を『ブンブン』と横に振ってから、真っ赤な顔をしながら残りの言葉を語り始めたの。

「はっ、我は……。と、とにかく、全ての新入生達よ我にひれ伏すのだ!」

 大事なところで固まった為に、盛大な拍手が沸き起こることはなく、悔しそうな表情をしながら壇上から降りたのだった。

「新入生総代のリオネル様、ありがとうございました。これにて入学式を終了します。明日から授業を開始しますので自分の教室へ登校するように」
「「はい」」

 無事に入学式が終わったので、私達は会場を後にして屋敷へ帰る事にしたのだった。

 リオネルの見せ場を潰して、赤っ恥をかかせることができた。ああいうプライドの塊は、早く鼻っ柱を折ってやるのが一番だね!
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