激レア種族に転生してみた（笑）

異世界転生 学園編

第5話 王都到着

　翌朝、目を覚まして湯浴みを済ませた後は、みんなで朝食を取ってから王都へ向けて出発する。

　ホテルを出発する前に昨晩の顛末を、ホテル側に確認しておいた。

　元馬鹿貴族のライルは、警備隊へ突き出され現在は拘留中で、今後はロイヤリーガが裁判所へ訴訟を起こして、おそらく【労働奴隷】として鉱山に送られるだろうと、支配人が報告してくれたのでロイヤリーガの対応に満足した。

　要塞都市ヴェガから王都への道程は、街道も綺麗に整備されていてとても快適なもので、盗賊や魔物の襲撃は全くなく無事に王都へ到着した。今は王都へ入る為に入門審査を待っているんだけど……こんなにも時間がかかるものだったのね。

　貴族なら貴族専用の門からほぼ素通りでき、商隊も通行許可証を持っていれば通商専用の門で、簡易審査をすれば通れるみたい。

「はぁ～、これなら商会でも起ち上げてさ、通商専用の門を通れる様にしちゃうのが良いのかな？」

　待ちくたびれた私が、商会を立ち上げようなんて言うもんだから、ミネバがその必要がない事を教えてくれた。

「今回の入門審査だけ我慢をして頂けば、王都で屋敷を購入してしまえば、今後は馬車での移動は不要で、アリス様ほ〚転移魔法陣〛で移動が出来ますよ」
「おぉー！流石はミネバだね！」

　良いアイデアを教えてくれたので褒めると、ミネバは首を振りながら自分の手柄ではないと言ってから、商会の立ち上げについて言及したの。　

「いいえ、私だけのアイデアではなくて、〘多重演算ラファエル〙が教えてくれました。でも、ルミナスの森で生産した物を、王都で販売する事になるのなら、商会を立ち上げるのはとても良いアイデアかも知れませんね」

　そんな会話をしていると、私達の入門審査の順番がやって来たので、ミネバが対応をしてくれた。

「王都へ来た理由を教えてください」
「グリエル英傑学院への入学受験で参りました。受験者4名と御者1名に同行者2名の合計7名です。こちらが全員の身分証明書と入門の申請書になります」

　ミネバはそう言った後に、入門審査官へ身分証明書と申請書を手渡しで提出する。

「確認をするので、少々お待ちください」
「はい、お願いします」

　暫くすると入門審査官が戻って来て、ミネバに身分証明書を返す前に話しかけてきた。

（なんだろう、書類に不備でもあったのかな？）

「書類に不備はございません。ただ、大変申し訳ありませんが身分証明書と本人が間違いないのかを、確認させて頂きたいのですが良いでしょうか？」
「はい、構いませんよ」

　馬車から全員が降りて、身分証明書と同一人物かを確認してもらうと、私の顔を見た入門審査官の動きが一瞬止まってので、首を傾げながら話しかける。

「どうかされましたか？」
「あっ、申し訳ない……恥ずかしながら、貴女の美しさに見惚れてしましました……」
「あはっ、あ美しいと言われると嬉しいものですね。ありがとうございます」
「いえ、確認は終わりましたので、どうぞお通り下さい……本当に申し訳ありませんでした」

　そんなやり取りを終えた後は、王都へ抜ける大きな門を通って、王都内へ入って行った。