激レア種族に転生してみた（笑）

異世界転生 出会い編

第93話 馬を購入する

　翌朝、朝食の時に【現人神】となった事を伝えてからしばらくすると、馬車を引く馬を紹介する為に呼んだ【馬装車総合商会】の代表がやって来た。

「私【馬装車総合商会】代表を務めている【ルメール】と申します。本日は、馬車馬をご所望との事で伺いました」
「そうです。我が主であるアリス様は、この馬装車を牽引出来る馬を探しておられます」

　シオンはそう言って、私が設計した馬装車の図面をルメールを渡すと、興味深そうに図面を見てから返事をした。

「なるほど、かなり趣向を凝らした素晴らしい馬装車ですね。このクラスの馬装車となりますと、牽引馬の理想は3頭引きといったところですね」
「2頭では厳しいですか？」

　シオンは2頭で引けると思っていたようなので、ルメールにその事を確認すると、ルメールは直ぐに返事をする。

「無理ではございません。ただ、このサイズの馬装車だと馬への負担が大きいので、移動距離次第では厳しいかと思われます」
「移動速度を含めて馬の疲労回復の為に、経由地での滞在時間も長く確保する必要という事ですか？」
「はい、その通りでございます」

　ルメールの言う事は最もだと思ったので、2人の会話に割り込んで私の意見を伝える事にした。

「うん、それならルメールさんが薦める3頭を購入する事にするよ。それで、どんな馬がお勧めなのか教えてもらえる？」
「はい、お勧めはアレイオーン種の若駒がよろしいかと思います。アレイオーン種は豊富な体力とその従順さで、馬装車の牽引場としては最高だと思います。かなり希少な馬で3頭で金貨1,500枚と、かなり値が張りますが大変素晴らしい馬です。主に王族や上級貴族が使役してる名馬中の名馬です」

　確かに値段は張るけど、せっかく購入するならお勧めの馬が良いと思ったので、私はシオンへ頷いた。

「それでは、ルメール氏の推奨する3頭を購入したいと思いますので、購入手続きと馬の手配をよろしくお願いします」

　私の即決にルメールは驚いたが、そこは商会の代表だけあって、営業スマイルをしながら必要な書類を取り出して、購入までの流れを説明した。

「購入手続きの書類はこちらになります。代金につきましては、馬を納める時の支払いとなります」
「判りました」

　私が書類にサインをした事で、3頭の馬を購入する事ができた。王族や上級貴族が牽引馬として使役するアレイオーン種を購入できるなんて、プライスレスの買物が出来てラッキーだったね。
　素晴らしい馬を薦めてくれた事に感謝を込めて、ルメールを昼食に招待した。私がデザインした馬装車の話しなどをして、とても有意義な時間を過ごした後は、冒険者ギルドへ向かう事にしたの。