激レア種族に転生してみた（笑）

異世界転生 出会い編

第77話 面倒な輩に絡まれる

　リューネが大剣の一振りで魔物を蹴散らして、1階層は呆気なく進んで行って、現在は2階層を攻略中。
　1階層との違いは、魔物が複数で現れる様になった程度で、魔物同士の連携などはなく、数だけで襲い掛かって来るだけなので、リューネ1人で全てを倒してるんだけどね。
　
「5階層まではリューネがメインでアナはフォローで良さそうだね」

　私が2人に声を掛けると、アナは軽く頷いてから答えた。

「はい、この辺りなら私のフォローも必要なさそうですが、一応は警戒をしておきますね」

　その後も、リューネが1人で魔物を討伐しながらも、順調に嘆きの地下迷宮を突き進み、半日程度で5階層にあるボス部屋の前に辿り着いていたの。ちょうど良い頃合いなので、昼食休憩を取ってからボス部屋に挑む事にした。

「はい、リューネお疲れ様！お昼休憩にするから、ゼシカはご飯を出してね」
「かしこまりました。お肉たっぷりのローストビーフサンドとクリームシチューになります」

　そう言いながら、妖精の鞄フェアリーポーチからテーブルセットを取り出してから、美味しそうな料理を並べてくれた。時間停止の効果があるので、出来立ての料理を食べれるのは嬉しい限りだ。
「わっ、すごく美味しそうだね。うちの料理人はとても良い仕事をしてくれるねぇ～」
「そうですね、ゼシカ姉様が要望したたっぷりのお肉を使ってますし、アリス様が好きなゴロゴロ野菜がたっぷり入ったクリームシチューは、本当にバランスが取れていて良い料理ですよね」

　私が話し掛けると、ゼシカとリューネは食べることに夢中になっていたので、アナは2人の事を見て笑いながらも返事をしてくれた。

　私達がリラックスしながら昼食を取っていると、後からやって来た男4人のパーティーが、私達に近寄って話し掛けてきたの。

「おぉ、美味そうな匂いがするな！」
「お嬢ちゃん達の飯か？俺達も腹が減ってたんだよ、可愛がってやるから飯を分けてくれよ」

　女性パーティーだから舐めてるようで、『ニヤニヤ』しながら無神経な言葉を掛けてきたの。私は少し『イラッ』としたので無表情で答えた。

「ん？何であなた達に食べ物を分ける必要があるの？私は可愛がって欲しいとは思ってないよ。空腹なら別の場所で食事を取って、先へ進めば良いじゃないの？」
「おいおい、Cランクパーティー【牙の傷跡】にそんな口を聞いてただで済むと思ってんのか？」
「別にあなた達が何者かなんて知らないしさ、そんな脅しに私がビビるとでも思ってるの？」
「威勢の良いお嬢ちゃんだな。ダンジョン内では何があっても自己責任なんだぜ？今からお前らを素っ裸にひん剥いて、『ヒーヒー』言わせることも可能なんだ。そこんとこをよく考えて答えろよ？」

　私の返事に男達は不機嫌な表情になり、脅すように声を荒げて後に武器に手を掛けた。

（はぁ～……面倒な事になりそうだね……）