激レア種族に転生してみた（笑）

異世界転生 出会い編

第74話 冒険者ギルドで仕事を探す

　スキル〘念話〙が使える様になった事と、〘多重演算〙に名を与えて事で〘多重演算ラファエル〙〘多重演算ウリエル〙〘多重演算ミカエル〙が私の従者と眷属のサポートに加わった事で、〘並列思考セラフィム〙は私のサポートに専念出来るようになった。その結果私は自由に行動をする事が出来る様になったので、これからは本格的に冒険者の活動をする事にしたの。　

　今日は、ユーザニア市の屋敷から冒険者ギルドへ向かうので、メイドへ出発の言葉をかける。

「じゃあ、冒険者ギルドへ行ってくるね。クエスト次第で野営をするかも知れないからさ、その時は〘念話〙で連絡するから野営で食べる食事の用意を頼むわね」
「かしこまりました」

　私はゼシカ、アナ、リューネを連れて冒険者ギルドへ到着して、直ぐに掲示板で依頼を確認する。
　依頼には種類があって【通常依頼】【指名依頼】【常時依頼】が基本的な依頼となっていて、それ以外にギルドマスターが発動する【緊急依頼】という全ての冒険者へ依頼を要請する特殊なクエストがある。
　私が今確認してるのは、掲示板に貼り出された依頼を見てるので【通常依頼】と【常時依頼】になる、面白そうな依頼が2つあったので依頼書を手にする。

【嘆きの地下迷宮の攻略】
《依頼主》冒険者ギルド
《条件》特に無し(自己責任)
《内容》嘆きの地下迷宮を攻略する。ダンジョンマップの作成と討伐した魔物の素材を回収して持ち帰る。　
《報酬》攻略成果の内容で決まる。

【鬼の塔攻略の依頼】
《依頼主》領主及び冒険者ギルド
《条件》特に無し(自己責任)
《内容》鬼の塔を攻略する。ダンジョンマップの作成と討伐した魔物の素材を回収して持ち帰る。
《報酬》攻略成果の内容で決まる。

　冒険と言えばやっぱりダンジョン攻略だよね。どっちの依頼も常時依頼だから予定なんかあってないようなものだから、マイペースな私には持って来いの依頼だと思った。
　取り敢えず、掲示板から【嘆きの地下迷宮の攻略】の依頼書持って、受付嬢が居るカウンターへ渡して依頼を受ける事をゼシカが伝えた。

「この依頼を受けようと思うので、手続きをしてもらって良いでしょうか？」
「はい、この依頼は常時依頼なってますので、攻略から戻って来られましたら、あちらのクエスト完了のカウンターへ報告するだけで大丈夫ですよ」
「ありがとうございます」

　受付嬢からの説明を受けて、これからは常時依頼を受けるつもりなので、冒険者ギルドへ来る時は攻略から戻った時のみって感じになりそうだね。好きな時に自由に冒険すれば良いとかって、前世は女子高生だったので定職に就いてなかったけど、冒険者ってかなりの良い条件の職業なんじゃないの？って思った。

『アリス様、冒険者の仕事は完全実力主義の世界なんです。職業としてはかなり劣悪な環境になるかと思われます。なので低能な冒険者も多いのです』
『あぁ、そういえば昔になるけど『雌ガキ』なんて言ってきた奴が居たね……まぁ、どんな魔物でも倒せる私にとっては良い条件の仕事って事になるね』
『はい、その通りでございます』

　私との会話で〘並列思考セラフィム〙が少し笑ったように感じたので、感情が芽生えてきたのかと思って確認をする。

『〘並列思考セラフィム〙も少しずつ感情が芽生えて来たのかな？それなら嬉しいな！』
『アリス様のご期待に応える為に、アリス様や従者達の会話等を勉強して日々精進してますから』

　私は〘並列思考セラフィム〙との会話を楽しみながら、嘆きの地下迷宮へ向かう為の準備をする為に、ユーザニア市の屋敷へと一旦戻る事にした。