激レア種族に転生してみた（笑）

異世界転生 出会い編

第73話 スキル念話

　屋敷へ戻った後は、夕食前の湯浴みを終えて、サロンでゆっくりと寛いでいると〘並列思考セラフィム〙から報告が入った。

『アリス様、紋章を元にして従者や眷属と絆を構築する事が出来ましたが、コミュニケーションとなるとなかなか上手くいきません。私はアリス様の一部なので意識内での会話が可能なのですが、従者や眷属は別個体になるので難しいようです』
「あぁ～、意識内で繋がりのある〘並列思考セラフィム〙とは違うから難しいんだね。それなら、お互いを想いやる気持ちで会話をするのはどうかな？主従関係なら互いの想いを絆にして、絆を通して言葉を届けられないかな？」
『アリス様は〘天才〙と〘智識之泉〙を凌駕する発想の持ち主なのですね。〘天才〙が理論を理解して〘智識之泉〙が絆を繋ぎました。絆を用いて言葉を伝えるスキル〘念話〙を習得しました』

　私の思い付きをもとにスキル〘念話〙を作る事が出来た。発想さえ出来れば、後は有能なスキルが新しいスキルを作ってくれるのは本当に助かる。気になる〘念話〙の内容はこんな感じ。

〘念話〙アリスから紋章を与えられた主従関係にある者は、絆を通して想いを伝え合う事が出来る。従者同士では想いを伝え合う事は出来ない。

　これで離れた場所からでも、従者や眷属達とコミュニケーションが取れるようになった。
　ただ、全ての従者からの声を私が処理するのは恐らく無理だと思うし、〘並列思考セラフィム〙に任せてもかなりの負担になっちゃうよね……
　そこでシエル様の加護〘智識之泉〙にある〘多重演算〙に名を与えたら〘並列思考セラフィム〙のような働きをしてくれるかも？って思い付いたので、〘多重演算〙名を与えてみる事にした。
「アリスの名において〘多重演算〙に【ラファエル】の名を与えて、従者達との念話の処理を任せる」
「アリスの名において〘多重演算〙に【ウリエル】の名を与えて、眷属達との念話の処理を任せる」
「アリスの名において〘多重演算〙に【ミカエル】の名を与えて、メイド達との念話の処理を任せる」
「「「お任せ下さい、我等が主アリス様」」」

　私からの念話はダイレクトに当人へ繋がって、私への念話は〘多重演算〙が取り次いで、重要事項であれば私への繋いでくれる。これでみんなと上手くコミュニケーションが取れる筈だよね。
　早速、念話を使って〘多重演算ラファエル〙〘多重演算ウリエル〙〘多重演算ミカエル〙が私との連絡を取り次いでくれると教えたら、全員が驚いていたけど、ゼシカだけは胸を張って当然だと言い放った。

「神に等しいアリス様なら当然の事です！この程度で驚いていては従者や眷属は務まりせんよ」

　ゼシカさんや……あまり私を崇めないで欲しい、私は神ではなく普通の光妖精族ライトニングフェアリーなんだからね……