激レア種族に転生してみた（笑）

異世界転生 出会い編

第65話 バートン奴隷商

　商会長に取り次いでもらうと、恰幅の良い男性が私達の元へ近付いて挨拶をしてきた。
「ようこそ【バートン奴隷商】へ、私が商会長のバートンです。我が商会は貴族への奴隷紹介もさせて頂いてますので、お客様に満足して頂けると思います」
「私はアリスだよ。早速だけどメイド長、ハウスメイド、キッチンメイド、守衛を勤めれる奴隷を紹介して欲しいの」
「かしこまりました。直ぐに連れて参りますので暫くお待ち下さい」

　私達は、用意された紅茶とお菓子を食べながら、候補となる奴隷を待っていると、綺麗な身なりをした候補者達が私達の前へ連れてこられた。

「大変お待たせ致しました。先ずはこちらの15名がメイド候補の奴隷達になりますのでご覧頂けますか」

　私は〘天眼〙を使って全員を鑑定して気になった5人を残してもらって、それぞれに質問をする。

【シオン】人族 15歳 統率A 器用B 調理D
【カナデ】獣人族 12歳 器用A 調理C
【マリオン】人族 15歳 器用C 調理B
【ナナイ】小人族13歳 器用C 調理B
【アン】小人族 12歳 器用A 調理D

「あなた達が奴隷になった経緯とセールスポイントを教えてくれる？」
「私はシオンと申します。准男爵家の生まれでしたが、母の浪費で借金が膨らみ返済が出来ずに借金奴隷になりました。普通学院でしたが生徒会役員をしていましたのでメイド長の職務が出来ると思いますのでお雇い下さい」
「カナデです、私は貧困の為に親から奴隷商へ身売りに出されました。手先が器用なので何でもしますので雇って下さい」
「マリオンと申します。スラム街出身で親に身売りされました。孤児院の炊き出しの手伝いをしていたので、少しは料理ができます。娼館へは行きたくないので雇って下さいお願いします」
「ナナイです。アンは妹です。山賊によって連れ攫われて奴隷になりました……何でもしますので妹と一緒に雇って下さい」
「うん、特に嘘も無いようだね。みんなを雇いたいと思うので手続きをお願いね」
「「感謝致します」」
「誠にありがとうございます。守衛候補を連れて参りますので、続いてご覧下さい」

　メイド候補と入れ替わって5人の守衛候補が部屋に入って来たので鑑定をしてピックアップする。

【シェリル】獣人 Lv10 《槍術》
【アマンダ】人族 Lv15  《剣術》《盾術》
【カーラ】鳥人 Lv8  《射術》《飛行》

「あなた達が奴隷になった経緯とセールスポイントを教えてくれる？」
「シェリル、左肘から先を失い部族を追われて、稼げなくなり生活が出来なくなって借金奴隷になった。片手でも槍には自信があるので役に立つ」
「アマンダだ、元冒険者で護衛依頼に失敗した賠償金を払えず借金奴隷になった。戦闘経験があるので守衛は出来る筈だ」
「カーラです、憲兵をしてましたが貴族エリアの警戒任務で盗賊を取り逃して、貴族に訴えられ奴隷に落ちました。飛行が出来るので周辺警戒で役に立つと思います」
「うん、あなた達も嘘は付いてないね、守衛として雇うので手続きお願いするね」
「「ありがとうございます」」
「誠にありがとうございます。代金ですが金貨500枚になりますが宜しいですか？」
「うん、問題ないよ。アナ、支払いをお願い」
「かしこまりました」

　支払いも無事に済ませて、私達は【バートン奴隷商】で購入した8名の奴隷を連れて拠点へと戻った。