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第六章 国造り編

第82話 リクルト商会にて

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 5人でグローニャにあるファミリア商会に移動すると、アネロが出迎えてくれた。どうやら並列思考セレブロが〚以心伝心〛で連絡を取っていたみたい。

「ハルカ様、おはようございます。並列思考セレブロから連絡を受けたので、リクルト商会には伝えておきました。リリアという者をお呼びください」
「ありがとう。商会の方はどんな感じ?」
「グローニャから王都務めに向かった貴族が、アンティーク家具の自慢をすることで、売り込まなくても噂になってるようで、そろそろ王都から注文が来るかも知れません。そうなると忙しくなるでしょうね」

 貴族というのは、人を蔑むことしか能がないと思ってたけど、意外な宣伝効果をもたらしてくれたんだね。王都から注文が来るとどうなるか、一連の流れをアネロに確認をする。

「王都から注文が来た場合は、納品まではどんな流れになるのかな?」
「グローニャから王都へ納品することになると、運搬する必要があるので運輸商会に頼むことになりますが、かなり高額な運搬料がかかるのと、盗賊の襲撃により奪われるリスクがあります」
「直営店を出すのが1番良いってこと?」
「それが、なかなかそういう訳にもいかないです。店を構えるにも莫大な資金が必要ですから」

 販売網を拡大すると得られるお金と同時に、先行投資が必要になるんだね。これは国造りにもいえることなので、事業拡大をすることで勉強するのも良いね。

「良い人材を迎えられたら、王都へ直営店を出してみよう。本店を国と考えて、直営店を大使館に見立てて国造りの勉強をするよ」
「流石はハルカ様、それなら交渉に長けた者も探すと良さそうですね」
「うん、そうするよ。じゃあ、行ってくるね」
「行ってらっしゃいませ」

 アネロに見送られながら商会を後にして、馬車は使わずに徒歩でリクルト商会を目指した。すれ違う人達を片っ端から鑑定して、面白そうなスキルを探してたけど、なかなか見つかる訳もなくリクルト商会に到着した。

 ドアを開けて建物内へ入ると、トラパーネが受付に声をかけてリリアを呼ぶように伝えると、直ぐにリリアがやってきた。

「ハルカ様、お越しいただきありがとうございます。アネロの後任で従属契約課を任されているリリアと申します」
「ハルカ.ファミリアです。アネロの後任なら優秀なんでしょうね?あなたの引き抜きも可能なら嬉しいな」

 私が軽く微笑みながら軽い冗談を言うと、リリアは頬を少し赤くしながら返事をした。

「ハルカ様が望まれるのなら、喜んで仕えさせていただきます。アネロから素晴らしい方だと聞いてたので、お会いするのを楽しみにしたました」
「そうなんだね。じゃあ、その辺りも含めて色々と話をしましょうか」
「はい、お部屋へ案内しますのでこちらへ」

 意外な返事に少し驚いたけど、多分リップサービスだろうね。別室へ移動する間にリリアを鑑定しておくことにした。

(アネロ後任ってどんな娘なのかな?)

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