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第六章 国造り編

第64話 ちょっとしたトラブル

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 アネロが1人で事情説明に向ってる間は、のんびりと話をしながら待っていた。

「結構な距離を馬車で走ったけど、森を抜けないってことは、かなり広大な面積なんだね」
「そうだね。普通の森なら抜けてると思うよ。並列思考セレブロのマッピングなら大きさの予想がつくんじゃないのかい?」
『この迷いの森は磁力の影響で、方向感覚を狂わせる効果があるみたいだよ。マッピングすることが不可能なほどだからね』

 エリカの言葉に並列思考セレブロは、マッピングは不可能だったと答えた。磁力がめちゃくちゃで方角が分からないみたい。このままアネロが戻らなければ、彷徨い続けて森を抜けることができないの?なんて思っていたら、アネロが戻ってきた。

「ハルカ様、お待たせしました。隠れ里へ案内しますが、歓迎ムードではありませんが、そのことをお許しください」

 ヒューマンからの接触を避ける為に、この辺境な土地で生活してるのだから、隠れ里に入ることを歓迎しないのは、ある程度予測してたので全く問題はない。ここからは話し合いをして今後のことを決めれば良いだけだからね。

「それは構わないよ。あくまで私達は提案するだけで、決めるのはエルフに任せるよ」
「ありがとうございます。では、隠れ里へ案内しますね」

 アネロの指示で馬車を走らせると、30分ほどで木製の柵で囲まれた敷地が見えてきた。馬車が近づくと、数人のエルフによって門が開かれて隠れ里の中へと入ることができた。本当に歓迎する気は全くなく、馬車に向かって弓を向けられていて、変な動きをすれば矢を射るつもりみたい。

 馬車は隠れ里の広場のような場所へ誘導されて停止すると、アネロから声をかけられた。

「このような待遇をお許しください。ここで下車して長老達の場所へ移動します」
「OK、待遇とか気にしないでね」

 馬車を降りると数人の男達がやってきて、武器を携帯してないか確認をする。1人の男が私の身体に触れて確認を始めると息遣いが荒くなる。

「はぁ、はぁっ」

 私が不思議そうな顔をしながら男を見ると、『ゴクリ』と生唾を飲み込んだ後に、急に抱き着いてきたので男に注意する。

「武器を持ってないかの確認なんでしょ?」
「う、うるさい!それを確認してるんだ」
「変なモノが当たってるんだけど、それも確認に必要なのモノなの?」

 興奮した男の下半身は熱り勃っていた。そのことに気づいたアネロは、慌てて男を静止させる。

「何をしてるの!客人に対してそんな接し方をするなんて、エルフの恥をさらさないで!」
「はっ、す、すまない……つい……」
「ハルカ様の確認が済んだのなら、早く長老達の所へ案内をして」
「あぁ、判った。その、申し訳ない……」
「これからは気をつけてね?」

 アネロに叱責されて『シュン』とする男が、長老達の元へと案内をしてくれたのだった。
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