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第六章 国造り編

第63話 エルフの隠れ里

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 アネロからエルフのことを聞いて、私は直ぐにエルフの隠れ里へ向かうことにした。

 今回は眷属以外では初めてメドサンを連れて行くことにした。理由はヒューマンの迫害により、身を隠せるような場所で生活をしてるというので、体調不良の者が多数居るかも知れない。私もメドサンのスキル〘医術師〙をコピーしてるけど、日々研鑽してるメドサンの知識に及ばないので、治療はメドサンに任せることにしたの。

 私達の準備が整って馬車に乗り込もうとすると、パインが慌ててやって来てメドサンに声をかけた。

「メド、ハルカさんが一緒だから大丈夫だと思うけど、魔法銃【type2】の試作品を作ったから持っていって」
「ありがとう!【type1】と何が違うの?」
「使い方は同じだけど、この弾倉はいつもの魔力を発射する物で、この弾倉は魔力で弾丸を発射する物なんだよ。弾倉を変えることで魔法と物理のどちらでも撃てるの」

 魔法銃は魔力を圧縮して放出する魔法攻撃なので、魔法防御を施されると効果が低くなる。今回の【type2】は魔力で弾倉に込められた弾丸を発射することで、物理攻撃が可能になり、どちらにも対応できるようになった物だった。

「判った。ありがとう」

 笑顔で魔法銃を受け取ったあと、急ぎ足で馬車へ乗り込むと、出発前にファミリアに残るトラパーネに声をかける。

「私の留守中は頼んだよ」
「お任せを、1日も早くエルフをお救いください。お帰りをお待ちしてます」
「うん、判った。エリカ、行こう!」
「あいよ」

 ファミリアはトラパーネに任せて、私達はエルフの隠れ里を目指して馬車を走らせたの。

 エルフの隠れ里は、海側にあるグローニャから内陸へ1週間ほど進んだ所にある【迷いの森】に到着した。

 エルフの隠れ里は森の奥深くにあって、エルフの特殊能力がなければ、たどり着くのは困難な場所にあるらしい。ここからはアネロも御者席に座って、道案内をしながら進むことになり、迷いの森で現れる魔物を教えてくれた。

「迷いの森で現れる魔物はボアウルフベアスネークのような強い魔物は殆ど現れません」
「それなら、魔物が現れたらメドサンに頼もうかな?」
「はい、魔法銃【type2】の試し撃ちをしたかったので嬉しいです」

 エルフの隠れ里に着くまでは、基本的にメドサンが討伐していくことになり、魔法銃の試し撃ちをしながら森を進んで行った。

 魔法銃【type2】は弾倉の切り替えで、魔法と物理の攻撃がしっかりとできていて、試作品とは思えない完成度だった。この弾倉の切り替えを採用するなら、属性弾もいけそうな気がしたので、ファミリアに戻ったらパインに相談することにした。

 そして、森の中を進むこと3日、ようやくエルフの隠れ里の近くまでやって来た。

「あと少しの所に隠れ里がありますが、先ずは私が1人で行って事情を説明してくるのでお待ちください」
「OK!」

 アネロが1人で隠れ里へ向かって、エルフ達に事情を説明をして戻るまでの間は、のんびりと待つことにした。
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