実はスライムって最強なんだよ？初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ…

第六章 国造り編

第43話 アジト撤退

　2つ目のアジトに居た【傲慢の王】の関係者を全員処分して、アロナが囚えられていた獣人の女の子達に話しかけて、落ち着いたところでファミリアへ転移して戻った。特に治療を必要とする子はいなかったので、そのまま大部屋で他の子達と合流してもらった。

　私は転移魔法で殆どの魔力を消費したから、前日と同じようにトラパーネに付き添われながら、ベッドで横になって魔力を回復させて、最後のアジトへの襲撃に備えたの。

　そして翌朝になり、魔力は完全に回復したので、同じメンバーを連れて最後のアジトへ向かって行く、昨日は元A級ハンターが控えていたので、それ以上の厳重体制で守ってるのかと思ったけど、着いてみるともぬけの殻だった。

　一応警戒しながらアジト内を全て見渡したけど、なにも残っていなかった。襲撃を防げないと判断して、獣人の女の子達を含めて必要な物は、全てタッタリア商会へと移したんだと思った。

「さぁ、残ったはタッタリア商会のみかな？」
「一応、他の場所に移してないか、尋問して調べるのがよろしいかと思います」

　私が後はタッタリア商会だけと言うと、トラパーネが緊急時用のアジトがある可能性を伝えてきて、もう1度【傲慢の王】の者を捕らえて尋問するべきだと言った。

「そうだね。次は私が尋問しようかな～」
「「それはダメ！」」
「えっ、面白そうじゃない！」
「「絶対にダメ！」」

　私が尋問する事はダメらしいので、尋問はアニエラに任せる事にした。

§ロベルトの視点§

　連続でアジトが襲撃されたと報告を受ける。

「馬鹿な！裏ギルドのA級ハンターを雇ってたんだそ？そんな訳がないだろう！」
「それが……3人のA級ハンターを含めて、アジトに居た者全員が殺られました……」
「流石にA級ハンター相手に無傷では済むはずがない、どんな奴だったんだ」
「それが……なにも残ってません。相手は無傷なのかも知れません」

　A級ハンターが歯が立たないとなると、スラム街のアジトを守るすべがない。商会なら貴族に声をかければ騎士団を寄越してくれるはずだ。俺はスラム街のアジトを諦める事にした。

「直ぐにスラム街からアジトを撤退させろ、商会に全てを集めるんだ」
「判りました」
「おい、ストーナー公爵邸へ向かう。直ぐに用意をしろ！」

　謎の集団に狙われている事を伝えて、騎士団の派遣を依頼する。貴族と騎士団を敵に回す馬鹿なんていないはずだから、その事を相手に示せば必ず諦めるだろう。

　そう、俺は高貴なる血の末裔だ。

　そんな俺の派閥【傲慢の王】に手を出すという事は、国を敵に回す事だと理解させれば、襲撃を諦めてグローニャの街から去るはずだ。