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第六章 国造り編

第39話 ロベルトの焦り

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 1つ目のアジトを強襲して、囚われていた獣人達を保護してファミリアへ戻った。本当なら続けて2つ目のアジトを強襲したかったけど、転移で大量の魔力を消費したので、仕方なく翌日に強襲する事となった。

 時間が経過すれば、アジト強襲の情報が流れて、厳重な警戒になってるかも知れないけど、だからといって引き下がるつもりなんてない。私はやると決めたら最後まで突き進む女だからね!

 ファミリアには私達が解放した獣人の少女が13人と、アロナを合わせて14人が居る。これからも人数が増えそうなので、とりあえず大部屋を作って過ごしてもらう。ファミリアで暮らす事になれば、何かしら仕事をしてもらう事になるので、【傲慢の王】を潰したらその辺りの話し合いも必要になる。

「よし、とりあえず過ごしてもらう場所はできたね。風呂とトイレしか無いけど、しばらくは我慢してね」
「「ありがとうございます」」

 残りの魔力で大部屋を作った後は、トラパーネと部屋に戻ると、そのままベッドに倒れ込んで朝まで眠り続けたのだった。

「私が不甲斐ないから、ハルカ様に負担をかけ過ぎてますね……もっと精進をしないと」

§ロベルトの視点§

 スラム街にあるアジトの1つが襲撃にあったと報告が入った。

「何だと!あそこにはエスコバルが居たはずだし、厳重警戒をしてたんだろうが!」
「そ、それが、エスコバルさんを含めて全員が殺られていて、何1つ証拠になるような物は残ってないそうです」
「こちらの精鋭部隊が全滅で、相手に被害は無いというのか?さらにガキ共を連れ去ったのに、周囲に目撃情報もないというのか?」
「そ、そうです。足跡もなく突然消えたとしか」

 スラム街の二大派閥である【傲慢の王】のアジトに、証拠になるような物を一切残さずに襲撃をするなんて事は、例え【幻魔】でも不可能だろう。グローニャ以外の土地から別のグループが来たという事か……

「【幻魔】に被害が出てないか確認をしろ!二大派閥に仕掛けて来てるのなら、力を合わせて撃退すると伝えろ」
「はい、それで他のアジトはどうされますか?」

 幹部を置いても太刀打ちできない相手に、数で対抗しても無駄だと思い、金は掛かるがとびっきりの輩を用意する事にした。

「裏ギルドに声をかけて警戒に当たらせろ。A級以上の裏ハンターで返り討ちにしてやる」 
「その……金の方はどうします?」
「手付金100と成功報酬500だと言え」
「判りました」

 全て順調だったのに、ここに来て予想外の事態になったが、俺は裏世界の王になる男なんだ。こんなところで止まってたまるかよ!必ず返り討ちにして手を出した事を後悔させてやるからな!
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