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第六章 国造り編
第31話 裏の顔
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オーダーメイド家具を製作するのに必要なデザイン画の受け取りと、それに係る契約書を交わす日がやってきたので、ファミリア商会の応接室で取引相手が来るのを待っていた。
しばらく待っていると、アネロが客を連れて応接室へとやって来た。
『コンコン』
「ハルカ様、お客様をお連れしました」
「どうぞ、お入りください」
ドアが開くと、金髪に青い瞳をしたいかにも『モテる男』といった感じの男性と、同じく金髪に青い瞳をした綺麗な女性に、緑の髪と瞳に少し尖った耳をしたエルフの女性が入って来た。
「こちらはタッタリア商会会長の……」
アネロが紹介しようとすると、手で制してから自ら自己紹介を始めた。
「初めまして、私はロベルト.タッタリア、タッタリア商会の会長を務めております。この度はオーダーメイドの要望を受けて頂き感謝します」
「ファミリア商会の代表を務めるハルカ.ファミリアです。お取引できることを光栄に思います」
「商業ギルドで噂を聞きましたが、噂以上の美しさに目を奪われてしまいます」
「御冗談を、どうぞ席へお着きください」
簡単な挨拶を交わしてから席に着くと、アネロが改めてこの場に居る者の紹介をする。
「では、紹介の続きをさせて頂きます。タッタリア会長の左に居られるのは会長秘書のカタリアナ様と、右に居られるのは執事のメルル様です」
「カタリアナです」
「メルルです」
2人の紹介の後に、私の背後で立っているトラパーネが挨拶をする。
「ハルカ様の秘書兼護衛を務めるトラパーネと申します。護衛という立場なので立ったままでの同席をお許しください」
「構わないよ。いかなる時も主を守ろうとする姿勢は、素晴らしい事ですから」
全員の紹介が終わってからは、ロベルト側から用意されたデザイン画を机に広げて、メルルから細部まで拘ったデザインの説明が行われた。
デザインの話は順調だったけど、材質の事で少し問題が発生する。普段の商品にも使用しているウォールナットではなく、よりも貴重なマホガニーを使って欲しいと言い出した。応接室のアンティーク品が、全てマホガニー製だったのが気に入ったらしい。製作代金が2.5倍になると説明したけど『構わない』と言うので受ける事にした。
全ての話し合いが終わったところで、正式な契約書を交わしてこの日の予定の全てが終わった。
「大満足な契約ができました。完成する日が待ち遠しいです」
「ご期待に応える物を仕上げます。楽しみにお待ちくださいね」
別れの挨拶を壊した後に握手すると、そのまま私の手の甲に軽くキスをして、軽くウインクをしてから部屋を後にしたのだった。
「はぁ……疲れた」
慣れない事をしたので大きなため息をつくと、並列思考からロベルトの事で気にった事があったようで報告を受ける。
『あの、ロベルトから漂う臭気から獣人の匂いを感じたんだ。獣人の愛好家かも知れないよ』
『ありがとう、アネロにタッタリア商会の場所と、ロベルトの事を確認するよ』
並列思考の報告で、ロベルト.タッタリアに裏の顔がある可能性が判った。【傲慢の王】に繋がるかも知れないので、徹底的に身辺調査をする事にした。
しばらく待っていると、アネロが客を連れて応接室へとやって来た。
『コンコン』
「ハルカ様、お客様をお連れしました」
「どうぞ、お入りください」
ドアが開くと、金髪に青い瞳をしたいかにも『モテる男』といった感じの男性と、同じく金髪に青い瞳をした綺麗な女性に、緑の髪と瞳に少し尖った耳をしたエルフの女性が入って来た。
「こちらはタッタリア商会会長の……」
アネロが紹介しようとすると、手で制してから自ら自己紹介を始めた。
「初めまして、私はロベルト.タッタリア、タッタリア商会の会長を務めております。この度はオーダーメイドの要望を受けて頂き感謝します」
「ファミリア商会の代表を務めるハルカ.ファミリアです。お取引できることを光栄に思います」
「商業ギルドで噂を聞きましたが、噂以上の美しさに目を奪われてしまいます」
「御冗談を、どうぞ席へお着きください」
簡単な挨拶を交わしてから席に着くと、アネロが改めてこの場に居る者の紹介をする。
「では、紹介の続きをさせて頂きます。タッタリア会長の左に居られるのは会長秘書のカタリアナ様と、右に居られるのは執事のメルル様です」
「カタリアナです」
「メルルです」
2人の紹介の後に、私の背後で立っているトラパーネが挨拶をする。
「ハルカ様の秘書兼護衛を務めるトラパーネと申します。護衛という立場なので立ったままでの同席をお許しください」
「構わないよ。いかなる時も主を守ろうとする姿勢は、素晴らしい事ですから」
全員の紹介が終わってからは、ロベルト側から用意されたデザイン画を机に広げて、メルルから細部まで拘ったデザインの説明が行われた。
デザインの話は順調だったけど、材質の事で少し問題が発生する。普段の商品にも使用しているウォールナットではなく、よりも貴重なマホガニーを使って欲しいと言い出した。応接室のアンティーク品が、全てマホガニー製だったのが気に入ったらしい。製作代金が2.5倍になると説明したけど『構わない』と言うので受ける事にした。
全ての話し合いが終わったところで、正式な契約書を交わしてこの日の予定の全てが終わった。
「大満足な契約ができました。完成する日が待ち遠しいです」
「ご期待に応える物を仕上げます。楽しみにお待ちくださいね」
別れの挨拶を壊した後に握手すると、そのまま私の手の甲に軽くキスをして、軽くウインクをしてから部屋を後にしたのだった。
「はぁ……疲れた」
慣れない事をしたので大きなため息をつくと、並列思考からロベルトの事で気にった事があったようで報告を受ける。
『あの、ロベルトから漂う臭気から獣人の匂いを感じたんだ。獣人の愛好家かも知れないよ』
『ありがとう、アネロにタッタリア商会の場所と、ロベルトの事を確認するよ』
並列思考の報告で、ロベルト.タッタリアに裏の顔がある可能性が判った。【傲慢の王】に繋がるかも知れないので、徹底的に身辺調査をする事にした。
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