実はスライムって最強なんだよ？初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ…

第六章 国造り編

第27話 獣人解放

　私はグローニャのスラム街で、悪人どもに囚われている獣人達を救う事にした。娘を救い出したアロナに囚われていた場所を聞いてみる。

「アロナ、レオナを救い出した場所を覚えてる？そこには他にも獣人は居たのかな？」
「はい、場所は覚えてます。レオナ以外にも5人が囚われていました」
「じゃあ、その場所へ行こうか」
「あの、本当に獣人を助けて頂けるのですか？」
「そうだよ。獣神ケルヌノス様にはお世話になったからね。ファミリアで全員を保護するから安心してね」
「あ、ありがとうございます」

　そこからは、アロナにレオナが囚われていた場所へ案内してもらう為に移動する。通路を進むと徐々に薄暗い路地裏に入ると、空気の質が変わった気がした。

『並列思考セレブロ！』
『判ってるよ。〚万能感知〛で警戒をしてるからそのまま進んでね』

　並列思考セレブロに警戒を任せて、私達はアロナの先導で路地裏を進んでいくと、行き止まりに当たったので歩みを止める。

「あの壁に隠し通路へ繋がる扉のスイッチがあります。1つだけ六角形になってる石がそうです」
「OK、隠し通路は一本道なの？」
「はい、まっすぐ進めば左右に部屋があって、そこに他の子供達が囚えられてます」

　場所を突き止めたので、私はトラパーネに指示を出してから隠し通路へ突入して、獣人の子供達を解放しに行く。

「私とエリカで突入するよ。パーネはこの場に残って3人を守るのと、逃げ出した輩を処分してね」
「かしこまりました」
「じゃあ、エリカ行くよ！」
「おぅ」

　私はアロナの言っていた六角形の石を押して、隠し通路へ繋がる扉を開けて突入する。通路にはロウソクの灯りがあったけど、かなり薄暗くなってるけど〚夜目ナイトビジョン〛がある私は問題なく進む事ができた。

　そして通路を進むと明るい光が見えてきたので、通路の先に部屋があると判った。直ぐに並列思考セレブロから部屋にある気配の報告を受ける。

『通路を抜けた先の部屋には、4人の気配があって右側に3人と左側に1人だよ』
「私が右側を殺るから、エリカは左側を殺ってくれる？」
「OK！」

　私とエリカは一気に通路を駆け抜けて、私は部屋の右側に居た男達に向かって〚翼刃ウイングブレード〛を射出して頭を射抜いて、エリカは左側に居た男に鞭を振って、鞭を首に絡めてから挽き切った。

『バタバタッ……ゴトッ』

「皆殺し完了！囚われた子供達を解放するよ。並列思考セレブロ、パーネへ連絡よろしくね」
『OK！』

 　トラパーネ達が来る前に、私とエリカは手分けして左右の部屋の鍵を壊して、子供達を解放する事にした。

『ガキッ！』
「悪い奴らはやっつけたから出ておいで！」
「お姉ちゃんはヒューマンだよね？ヒューマンは悪い奴だから信じられない……」
「私はヒューマンじゃないよ。粘性吸血神スライムヴァンピールっていう種族だよ。ほらっ！」

　私は人型からスライムに変身してから、再び人型へと戻ってから『パチリ』とウインクをする。

「私はヒューマンじゃないでしょ？」
「うん、助けてくれてありがとう」

　私を信じた子供達が部屋の中から一斉に出てきて、無事に悪人どもから解放する事ができたの。