実はスライムって最強なんだよ？初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ…

第六章 国造り編

第14話 呆気ない幕切れ

　蜥蜴人リザードマンと思われる魔物は、放った火の玉が戻って来た事に驚きながらも、咄嗟に身体を捻って躱した。

「さぁ、楽しいバトルを始めようかっ！」
　
　私は腰のホルダーに収めている鞭を手に取って、蜥蜴人リザードマンの首を狙って鞭を振るう。

『ビュンッ！』
『バチンッ！』

　蜥蜴人リザードマンは右手を出したので鞭が絡みつく、そこからは力比べで互いに鞭を引っ張り合う。

「はっ！」
「シャーーッ！」
『バチッ！』

　体格は圧倒的に蜥蜴人リザードマンの方が大きいけど、私の方が力は強かったみたい。蜥蜴人リザードマンが私の方へ引き寄せる事が出来たので、顔面に拳を打ち込んだ。

『ゴッシャン！』
「えっ……」

　私の拳は蜥蜴人リザードマンの顔面を貫いて、当然だけど頭が潰れたので絶命と同時に消滅していった。

　呆気ない幕切れに肩を落としてると、トラパーネが私の元へやって来て、私の顔に付いた血飛沫を拭き取ってくれた。

「ハルカ様お疲れ様です。思った程の強敵ではなかったようで残念でしたね」
「うん、思考能力があっても、身体的な能力は雑魚の部類だったね」
「もっと深い階層じゃないと、ハルカ様を満足させる相手は居ないでしょうね。〚洗浄クリーン〛！」

　トラパーネは私に話しかけながら、服に付いた汚れを綺麗に落とし終えると、アニエラとエリカがドロップを回収してやって来た。

「顔面パンチをしたら死んじゃったよ」
「まぁ、この辺りの階層なら仕方ないんじゃないかい？もっと下の階層じゃないとね」

　エリカもトラパーネと同じ事を言ったので、早く楽しめる階層まで進みたいね。エルピス山脈のダンジョンで考えると、飛竜フライドレイククラスが出て来ないと楽しめないのかな？

「とりあえず先に進もうか。今日は10階層まで行って、明日は10階層から先へ進むよ」
「「OK！」」
「かしこまりました」

　蜥蜴人リザードマンを倒した後は、先頭をアニエラとエリカに任せて、私はサポートに回って何か奪える物があれば奪っていった。

　道中の魔物もアニエラとエリカの前では相手にならずに、普通の冒険者パーティーではありえない早さでダンジョンを進んだの。

　そして、竜門Dragon Gateの10階層に到着したので、適当な場所に隠し部屋を作って、転移魔法陣を設置したところでファミリアへ戻った。

　ファミリアへ戻って一息つくと、並列思考セレブロから竜門Dragon Gate攻略の成果報告を受ける。

「ハルカ、ここまでの魔物から奪った物はこんな感じだったよ」

【ＨＰ】+50
【ＭＰ】+40
【体力】+80
【敏捷】+20
〚水波〛口から水弾を放つ。
〚炎波〛口から炎弾を放つ。
〚空波〛口から空弾を放つ。

　ステータスupとブレスと同じ原理のスキルを3つ手に入れるなど、なかなかの成果をあげたのだった。