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第六章 国造り編

第9話 不味い展開に……

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 グローニャの街を徒歩で移動しながら竜門Dragon Gateを目指す。街中を移動する時は顔を隠す帽子が必須なのが少し面倒だ……何か良い方法がないか考えていると、並列思考セレブロが1つのアイデアを教えてくれた。

『ハルカの美しさを認識させないスキル、簡単に言えば〚認識阻害〛みたいなスキルがあれば、誰も見惚れられる事がなくなると思うよ』
『なるほど、そんなスキルが存在するなら、手っ取り早いけどなければ作るしかないよね。次からは転移で移動するから今日は我慢するよ。まぁ、暇な時に〚認識阻害〛は考えてみるね』
『OK!』

 並列思考セレブロと話し込んでると、お楽しみの竜門Dragon Gateが見えてきたようで、エリカが声を掛けてきた。

「ハルカ、あれが竜門Dragon Gateみたいだよ。流石は超高難易度のダンジョンだけあって、それなりの装備の冒険者ばかりだよ」

 帽子を深く被ってるので、前の方がよく見えなかったので帽子を取って周囲を確認した。

 確かにそれなりの装備を身に着けた冒険者が、大きな建物へ向かって進んでいってる。先にある大きな建物には【冒険者協会 グローニャ支部 竜門Dragon Gate出張所】と大きな看板が掲げられていた。

「トーレス町の冒険者協会とは大違いだね!早く入場手続きを済ませてダンジョンへ入ろうよ」

 テンションの上がった私は、帽子を被るのを忘れて竜門Dragon Gate出張所へ走っていく。その事に気付いたトラパーネが私を追って伝えようとする。

「ハルカ様、帽子を被らないと……あぁ、遅かったか……」

 数人の冒険者が私に見惚れて、私に近寄って声をかけてきた。その時に帽子を被るのを忘れた事に気付いた……

(これは……不味いかな?)

「お嬢さん、竜門Dragon Gateへ入るのなら我々が護衛を兼ねてお供しますよ」
「俺はAランク冒険者だ!俺のパーティーへ入れてやるぜ!」

 次々と私の前へ人が群がり始めたので、とりあえずパーティーを組んでると断る。確か冒険者のルールで、パーティーを組んでる者を勧誘する事は禁止されてるはずだからね。

「あの、私はパーティーを組んでいるので、誘われても困ります」
「それなら、君のパーティーを我々のクランに招待するよ」

 私の知らないワード【クラン】と言われて、どう返事すれば良いのか判らずに困ってると、エリカが私に言い寄る男の股間を、鞭で叩き潰すと騒ぎが沈静化したので、その隙にトラパーネが帽子を被せてくれた。

(暇な時にって言ったけど、早急に〚認識阻害〛のスキルを作らないとダメかな……)

 騒動の後は、3人に囲まれながら竜門Dragon Gate出張所へたどり着いて、ようやくダンジョンへ入る手続きをする事になったのだった。

◇◇◇

 次回から、ダンジョン攻略が始まります。
 バトルシーンをお楽しみくださいね(*^^*)b


 
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