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第五章 ファミリア編

第45話 4人の資質

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 あれから2週間が経過した。

 ファミリアへ近付く気配は全くないけど、決して安心はせずに警戒を怠らないでいた。

 子供達への訓練は、4人とも属性魔法を使う事は出来ないけど、多少の魔力はあるので生活魔法を覚えてもらっている。魔力が少しでもあれば、生活魔法を覚える事が出来るとエリカが教えてくれたからね。武術の方はそれぞれの特性に合わせて訓練をしてる。

クテュールは戦闘に向かない〘裁縫士〙のスキルだけど、丸い物を編む時に使う【輪針】を武器に変えて、近接戦闘に取り組んでいる。

「そう、輪針で突く攻撃がメインになるけど、この紐で繋がってるからさ、2mくらいなら投げて引き戻せるからね。その辺りも戦闘方法に組み入れようか!」
「はい、頑張りますね」
「魔力操作は良い感じだね。少し辛いかも知れないけど、寝る前に魔力を使い切ると、少しだけど魔力の総量が増えるから試してみてね。辛いと思ったらしなくても良いから、無理は禁物ね」
「はい、判りました」

 意外と戦闘方法はバラエティ豊かになりそう。後は、裁縫でデザイン等をするので想像力が豊かなので、生活魔法での魔力操作が非常に上手い。属性魔法が使えればかなりの使い手になっていたのが残念だった。

 アグリの〘農業〙スキルが戦闘に向いてる事に驚いた。鎌の形が薙刀に似てるので使わせてみると、見事な薙刀捌きを披露した。

「わっ、完全に薙刀を使えてるね!〘農業〙スキルがこんなに戦闘向きだとは思わなかったよ!」
「日頃の草刈りが役立つとは思いませんでした」
「農作業で体を使うから足腰も鍛えられてるから、フォームがしっかりしてるんだね」
「生活魔法も水は上手になったね。他は苦手なのかな?」
「菜園の水撒きが出来るのが嬉しくて、水ばかり使ってました!菜園に活かせる水を出せた時は、嬉しくて水撒きばかりしてました!」

 日頃から草刈りをしてるので、綺麗なフォームと足腰を鍛えられてたのね。強くなる事以上に生活魔法で水を出せた事を喜んでたのが可愛かった。

ヴェルジュは〘斧術〙を持ってるだけあって、戦闘に関しては4人の中で最も優秀だった。日頃の作業で腕力も十分で、斧と扱いが似てる〘大剣術〙を持つトラパーネに鍛えられて、メキメキと腕を上げている。

メドサンは〘医療術〙と〘投擲〙で遠近両方での戦闘が出来る万能タイプになると思った。

「こんな感じで近接戦闘はメスを用いて急所を的確に狙って、距離が離れたら急所を的確に狙ってメスを投げるんだよ」
「医術書で覚えた知識は、命を救う事も奪う事も出来るんですね」
「お医者さんを目指してるから、命を奪うのは嫌だよね」
「いいえ、守りたい者を守る為に医者になるので、守る為なら相手の命を奪いますよ」
「そっか、メドサンは強い子だね」

 そう言ってから頭を撫でると、嬉しそうに微笑んでから私に抱き着いてきたの。
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