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第五章 ファミリア編

第44話 ハルカ様みたいに…

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 ファミリアの周辺を警戒する事を決めた翌朝の朝食では、子供達へインビエルノ王国からの調査団が来てる事と、私達が追跡対象だと伝えた。

「そんな訳で、調査団がトーレス町に滞在してる間は、ファミリア周辺とはいえ単独で行動は控えて欲しいの。果樹園や菜園での作業も私達に声を掛けてくれたら、一緒に作業をするからね」
「あの、誰に声を掛けても良いんですか?」

 菜園の作業をしてるアグリが質問をしたので、私は頷きながら返事をした。

「誰でも良いよ。空いてる者なら誰でも良いよ」
「ハルカ様でも?」
「うん、喜んで手伝うからね」
「「ありがとうございます」」

 私が笑顔で答えると、アグリを含めた4人全員が、嬉しそうな顔をしながら大きな声で返事をした。その様子を見ていたルカが私にウインクしながら喋りかけた。

「これは、ハルカさんの争奪戦になりますよ」
「そうかな?空いてれば問題ないけどね。それからもう1つ伝えておく事があるの……」

 絶対にファミリアを守りきるつもりだけど、不測の事態がないとは言えないので、4人にもある程度は身を守る力を付けて欲しいと伝えた。ファミリアへ連れて来なければ、このような事態にはならなかったので、強制するつもりはない事も同時に伝えた。

「僕は自分だけじゃなく、みんなを守れるようになりたいです」

 唯一の男の子であるヴェルジュは力強く答えると、残った女の子達も顔を見合わせてから、声を揃えて同意をしてくれた。

「「ハルカ様みたいになりたいです」」
「みんなありがとう。一緒に頑張ろうね」
「「はい!」」

 子供達との話が終わって、それぞれが自分のする事を始めた。私はルカの言った通りに全員から声を掛けられたけど。私の身体は1つしかないので日替わりで4人の作業を手伝う事にした。今日はヴェルジュと果樹園の作業へ向かったの。

 果樹園では、最初にヴェルジュから剪定や摘果などの説明を受けた。そこからは一緒に作業をしながら色々と話を聞かせてくれた。
 ファミリアに来てからは『毎日が楽しい』だとか『幸せなという意味が判った』など心の内を教えてくれたの。

 そんな話を聞いてると、私はもっとファミリアを発展させて、ヴェルジュ達のような子供達を迎えて、安心して暮らせる環境を整えたいと思ったの。

 そうなればインビエルノ王国にファミリアの存在を知られるので、同時に守る為に必要な事も考える事にした。

 そんな壮大な事をする前に、先ずは4人の子供達を自衛できる為の訓練プランを考えないとね。
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