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第五章 ファミリア編

第32話 トラパーネと空間魔法

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 パインへの報告を済ませ後は、食事を取りながら〚空間魔法〛の事について話をした。

 最初にトラパーネの〚空間魔法〛の使い方を聞いた。内容は物体を任意に空間移動させて攻撃をしたり、罠を仕掛ける物だったの。他に色々と試したらしいけど上手くいかなかったらしい。
〚空間魔法〛は燃費が悪くて、質量と移動距離に比例して消費魔力が増えていくみたいで、トラパーネ自身で好きな所へ移動する事は無理だったみたいだね。

 消費魔力についてはトラパーネの認識とは少し違っていたので、その事について少し質問をしてみた。

「パーネは〚空間魔法〛を発動する時って、どんなイメージをしてるの?」
「発動するイメージとは?」
「攻撃をする時に物質を移動させるでしょ?その時はどんな事を考えてかを聞きたいんだよ」
「えっと、目で場所を決めて『えいっ!』って感じですよ」

 おぅ……思い切り適当な方法だった。
 雑なイメージだったから、無駄に魔力を消費して燃費が悪かったんだね。

「魔力消費が多い理由が判ったよ。少し魔法の効率的な使い方を教えるね」

 私は同じ魔法でも、明確なイメージで発動する事で、同じ魔法でも威力が増す事を実践してみせる。そして〚空間魔法〛も同じで明確な場所をイメージ出来れば、消費する魔力を減らす事が出来ると説明したの。
 大方の説明が終わるとアニエラが懐かしそうに話し始めた。

「私も魔法の効率的な使い方を聞いた時は驚いたな~、パーネも最初は発動するイメージがなかなか出来ないと思うけど、少しずつ慣れるから頑張ってね!」
「はい、魔法の効率的な使い方や、魔法を纏うなどハルカ様の知識には本当に驚かされました!」
「異世界から来たからさ、この世界の固定概念に囚われないのが良かったんだろうね」

 この世界で生まれた人達は、この世界の常識といったレールに乗ってるので、なかなか違う目線で考える事は無いんだろうね。そんな固定概念の無い考え方と、最弱のスライムから始まった事が、効率的な使い方を生み出したのかもね。案外スライムでの転生で良かったと思えてきたよ。

「あまり話に夢中になると明日の迷路攻略に支障が出るから、そろそろ休んじゃおうか?」
「そうだね、早く迷路を攻略してファミリアに戻らないと、欲求不満が爆発しそうだよ」
「うんうん、帰ったら思いっきり爆発させちゃうからね~」
「ははっ……パインもそんな事を言ってたよ。子供達が居るんだから程々にね?」
「「約束は出来ません!」」

 うん、迷路を攻略してファミリアへ変えるのが、少し不安になってきたよ……
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