実はスライムって最強なんだよ？初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ…

第五章 ファミリア編

第28話 時限魔法

　ドワイトはディアドラの名前を叫びながら消滅していった。

「あれで大将軍だとかありえないね(笑)パーネと戦った方がずっと厳しい戦いだったよ」
「ハルカ様の戦略は素晴らしかったです。〚空間魔法〛の使い方も初めてとは思えませんでした」

　トラパーネが私を崇めるような目つきで褒め称えてくれるのが照れくさいけど、アニエラも続けて褒めてきた。

「ハルカはね、並列思考セレブロより頭が良いんだよ！魔法を纏ったり、魔法発動をハッキリとイメージする事で、同じ魔法でも威力が数倍になる方法を見出すんだよ！」
「全てにおいてハルカ様は凄いですよね！魔法を纏うなんて発想は誰も思いつきませんよ」
「あははっ、それは前世で異世界人だったからだよ。魔法なんてない世界だったけど、ファンタジー世界の物語が充実してて、色々な本を読んだからだと思うよ(笑)」

　2人に褒められて、前世で読んでいたファンタジー世界の本で得た知識等の話をしていると、並列思考セレブロが話の間に入ってきた。ドワイトを倒した事で奪える能力が複数あったみたいなの。
　
『ハルカ話してる途中だけど、ドワイトから奪える能力があるから選んで欲しいんだよ』
『並列思考セレブロが選ばないって事は面白い能力があったんだね』
『うん、〚時限魔法〛と〚死者召喚〛がスキルでステータスupの〚体力+200〛が奪えるよ』

　あんなに雑魚だったのに、持ってる能力はかなり有能な物だった。上手く使えば私達に勝ててたかも知れないのに……残念なガイコツだったね。
　ドワイトが使っていた時点で、絶対に欲しいと思っていた〚時限魔法〛を選択する事にした。

『〚時限魔法〛を選択するね』
『OK！〚時限魔法〛を奪ったよ。これで相手の動きを止めれば簡単に隙をつけるね』
『うん、私は少し違う目線で〚時限魔法〛が欲しかったんだよね～。誰か判るかな～？』

　私の考えは戦闘以外の目的で欲しかったんだけど、並列思考セレブロは戦闘での使用を想定していたみたい。他の3人にも聞いたけど返事はなかったので、私の使い方を説明する。

「ふふっ、私は食糧の保管庫に〚時間停止ストップ〛を付与して、いつまでも新鮮な状態で保管できるようにするんだよ！菜園で実った野菜を新鮮な状態で一年中食べれるとか凄くない？」
「『凄い！』」
「ファミリアで完全な自給自足が可能になるって事じゃないか！これは本当に凄い事だよ！」

　エリカは興奮気味に〚時限魔法〛の使い方を褒めてくれた。
　まぁ、戦闘で使う時も面白いアイデアがあるけど、実戦で使ってみんなを驚かそうと思ってるのでこの場では言わなかった。