実はスライムって最強なんだよ?初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ…

小桃

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第四章 スライムヴァンピール編

第68話 ルカの想いを聞かせて

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 一通りの話を済ませて後に、私達が伯爵邸を訪れた理由を説明する。

「私達が訪れた理由は吸血鬼ヴァンピールの事をお話する為ではありません。ロック騎士爵が訪れてると思うのですが、騎士爵が冒険者協会の受付係を一方的に気に入ったという理由で、本人の意志に反して強制的に秘書にすると言って、冒険者協会から連れ去ったのです」
「ふむ、ベス達はその受付係を取り戻したいと言う事なんだね」
「ルカの意志なら尊重しますが、そうでないなら貴族の横暴を許せないのです」
「確かに言い分は判るんだが、騎士爵は我々とは違って特殊なのは判ってるね?」
「はい、武功を上げ国の重要戦力と認められた軍の犬ですよね」
「はははっ、軍の犬か!確かにその言い方は正しいよ。だから私にはロックを裁く事が出来ないと言う事も判ってるよね?」
「はい、承知してます。ロックと一緒に長い黒髪と黒い瞳の女性は居ませんでしたか?」
「隣に居たあの娘がそうなのか」
「ルカと少し話をさせて頂けませんか?」
「ふむ、何とかしてみよう」

 伯爵がラウールに合図すると、席を立ってから部屋を出て行ったので、ルカさんを連れて来てくれるんだと思った。暫く部屋でルカさんが来るのを待ってると、ドアが開いたので顔を向けると、ラウールに連れられてルカさんが部屋に入って来た。私達を見たルカさんは驚いた様子だった。

「どうして、ハルカさんがここに?」
「急に居なくなるんだもん、心配だから追い掛けてきちゃった(笑)」
「うぅ……ハルカさん、わたし……」
「その様子だと本当に無理強いされて同行してるんだね」

 伯爵は、今にも泣きそうな表情のルカさんに話し掛けると、小さく頷いてから力無く返事をする。

「私はこの町で仕事を続けたいので断ったのですが、貴族相手ではどうする事も出来ず……」
「何とかしてあげたいが、騎士爵は特殊だから罰を与えれるのは陛下のみなんだ」
「大丈夫だよ!私がアイツをぶっ殺すからね」

 私の言葉を聞いて、伯爵、ラウール、ルカさんの3人は目を丸くした。国の重要戦力を殺すと言ったのと、それをすればこの国から敵と認定されて追われる身になるからね。

「そんな……ハルカさんは国に犯罪者として追われるんですよ?」
「良いの良いの♪隠してたけどさ、私は人間じゃないから(笑)」

 そう言ってからスライムの姿になって、人間ではない事を見せたの。これには伯爵達も驚いたようで何も言えないようだった(笑)

「ねっ、私達はどこででも暮らせるから、アイツは私達がぶっ殺すからこの町で暮らしてね」
「おい、ハルカ……この国の伯爵を前にその発言はまずいぞ?」
「あっはははっ、愉快だね。ベスの若い頃よりお転婆なんじゃないか?私は今の話は聞いてない事にする。ラウールもいいな?」
「かしこまりました」
「とりあえず、ルカさんは戻ってね。アイツが町を出たら賊のフリをして襲撃しちゃうからさ、それまで我慢してね」
「あっ、はい……」

 話を終えて、ルカさんはロックの元へ戻って、伯爵もロックとの面会に戻った。私達は伯爵邸を後にしてからロックが町を出るのを待つ事にした。
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