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第四章 スライムヴァンピール編

第66話 フェルナンド伯爵邸

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 私達はルカさんを取り戻す為にフェルナンド伯爵邸へ走りながら移動してると、エリカから簡単な指示を受けたの。

「今回のルカを連れ去った件にフェルナンド伯爵は関与してない。だから伯爵邸へ押し込まずに、事情を説明して屋敷へ入れてもらえない場合は外でロックを待つよ」
「OK!」
「相手は首刎ねロックと言って、大薙刀を使うA級ハンターだから相当な使い手だからね!」
「おぉ~、楽しい戦いになりそうだねぇ~♪」

 町の中央にある伯爵邸に近付くと、歩行に変えて息を整えながら守衛がいる門に向かった。私達みたいなハンターがアポも取らずに訪れて、話を聞いてくれるものなのかと思ったの。

「守衛にはあたいが話をするから、2人は後に控えおくんだよ」
「「OK!」」

 エリカが門に近付くと、当然だけど守衛が槍を構えて制止させると、エリカは両手を上げてから守衛に話し掛ける。

「私はエリザベス.マクスウェルの使者です。フェルナンド伯爵にお目通しをお願い致します。私が身に着けてるこの指輪を見せて頂けば、伯爵なら判ると思います」
「少し待て、守衛長に確認する」
「かしこまりました」

 門の前で暫く待ってると、守衛長がやって来てエリカに対して質問した。

「君がエリザベスの使者か。要件を聞かせてもらえるか?」
「申し訳ありません。師であるエリザベスから伯爵へ直接伝えるように言われてます。お目通しが叶わない場合は師の元へ戻ります」
「所在を教えてはくれないのか?」
「師から伯爵以外には伝えるなと言われてますので、教える事は出来ません」
「フェルナンド伯爵は来客中なのだ。日を改める事は出来ないのか?」
「出来ません」
「うむ、少し待ってくれ。その指輪を見せて指示を仰ぐ」
「かしこまりました」

 守衛長との話が終わると、エリカは左手の薬指から指輪を外して守衛長へ手渡すと、守衛長は屋敷の中へと戻っていった。あの指輪が伯爵とどんな関係があるのか気になったけど、簡単に聞ける雰囲気では無かったので、後で聞く事にして守衛長が戻るのを待ったの。

 屋敷の中から守衛長が出てくるのが見えると、一緒に出てきた初老の男性が守衛長を追い抜いてエリカの元へやって来た。そしてエリカの事を懐かしい物を見るように見つめていた。

「君は……こんな場所ではなく屋敷の中で話を聞かせて欲しい」
「伯爵様、お目通しに感謝致します」
「いや、ベスの為なら構わない。バロン、ロックには少し待つように伝えてくれ」
「はっ、かしこまりました」
「さぁ、連れの方も一緒に案内するよ」

 伯爵とエリカの間に、どんな事情があるのか判らないけど、私達は伯爵と話をする事が出来るみたいなので一安心。

 後の事はエリカに任せて、私とアニエラは伯爵邸へと入って話をする事になった。
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