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第四章 スライムヴァンピール編

第57話 ダンジョンの中へ

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 エルピス山脈の麓へ到着すると、ルカさん受け取った情報を確認しながらダンジョンを目指す。私達の居る草原からダンジョンまでは5km程で、情報通りならゴブリン、オーク、狼類が生息してみたい。
 エルピス山脈の回復具合も確認したいので、ここからは徒歩でダンジョンへ向かうの。

「直ぐにダンジョンへ入りたいけど、魔物達が戻って来てるか気になるからさ、ここからは徒歩で移動するね。私は〚魔力感知マジックサーチをするから、〛並列思考セレブロは周辺の〚気配感知センスサーチ〛をお願いするね」
『了解!』

 草原を3km程進んだけど魔物の気配は感じない。このまま魔物達は戻って来ないなら、それこの辺りに私達の集落を作るのも良いのかな?なんて思ったりしながら移動してると、エリカがこの状況に驚いていた。

「本当に魔物が現れないね……私の記憶じゃあ、この辺りを移動すれば狼達が確実に襲って来るんだけどね……」
ドラゴンが去ってもさ、匂いの残渣とかが残って弱い魔物は近寄れないのかな?」
「それはあるかもね。弱い魔物は匂いに敏感だからね。餌がが戻って来なきゃあ、強い魔物は戻らないからね」
「魔物が戻って来ないならさ、この辺りに集落を作るのはどうかな?」
「難しいかも知れないね。ダンジョンの魔物も居なくなってダンジョンが死んでれば可能だけど、ダンジョンが生きてればハンターが押し寄せるかも知れないからね」
「ダンジョンの魔物は強いからハンターは来ないんでしょ?」
「この地帯の魔物が居ないと知れ渡れば、他所からハンターがやって来るよ。この草原に現れる大量の魔物のせいで行き帰りの疲弊がネックだったからね」

 エリカの言葉で、トーレスの町に優秀なハンターが居ない理由が判った気がした。この辺り集落を作る話を考えるのは、麓のダンジョンを調べてからになるので、私達は一応は周囲を気にしながら移動を続けたの。

 そして、魔物と遭遇しないまま草原を進むと、今回の目的地である麓のダンジョンが見えてきた。見える範囲ならなにか生物が居るなら反応がある筈なんだけど、全く反応がないの。ダンジョンの魔物も居なくなったのかと思ったら、並列思考セレブロがダンジョンの事を教えてくれたの。

『ハルカ、ダンジョンは特殊な場所で、出入口を境に異空間になってるんだよ。だから外からは感知する事が出来ないんだよ。魔物が居るか確認するには、ダンジョンの中へ入るしか方法はないんだよ』
『そうなんだね。じゃあ、ダンジョンへ入って確認しちゃおう♪』
「おぅ♪」「OK!」

 私達は煌晶石の採集と塩漬け案件を処理する為に、麓のダンジョンの中へ足を踏み入れた。
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