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第四章 スライムヴァンピール編

第45話 怪腕のゴーラン

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 イカつい顔した男が私達に近付いてくると、エリカが〘以心伝心〙で話し掛けてきた。

『コイツは【怪腕のゴーラン】って奴でA級ハンターだよ。あたいの弟の息子だから甥っ子だ』
『エリカの事がバレるじゃない?』
『あたいのこの姿は知らない筈さ。弟は20離れてるからね』
『了解。適当に相手すれば良いね』

 エリカからゴーランの説明を聞き終わると、ゴーランはルカさんに話し掛けた。

「ルカ、その3人がお前の専属ハンターか?」
「そうですよ♪すごく優秀なハンターさんなんですよ」
「それは噂で聞いている。魔法を使える3人組なんて都市部でも珍しいからな。そんなおまえ達に話があるから部屋までこい!」

 私は『イラッ』とした。
 お互いの自己紹介もなしに、行き成り命令口調なんだもん普通なら腹が立つよね!なので丁重にお断りをする事にした。

「えっ、行きませんよ?お腹が減ってるもん、依頼完了手続きと精算を終わらせて、直ぐに家に帰ってご飯を食べるんだから行かないよ」

 私が断ると、ゴーランは奥歯を噛み締め額には青筋がたっていた。

「協会長である俺の命令が聞けないと言うのか?」
「あぁ、あなたがベスさんの後任なんですね。自己紹介をしてくれないと判らないですよ?ガラの悪い輩かと思いました(笑)」
「確かに俺からは何も言ってないが、ルカが協会長と言っただろうが!舐めてるのか?」

 少し怒気を込めて話して私の方へ手を伸ばそうとすると、アニエラが私の前に出たの。

「おい、ハゲ!私のハルカに勝手に触れる事は許さないんだからね」
「生意気な小娘の仲間も生意気なんだな。俺が教育してやらうか?」

 一触即発の雰囲気なってくると、ルカさんが慌てて間に入ってくる。

「協会長!部屋で話をしたいのなら、専属受付の私を通してからにしてください。ハルカさん達は岩蜥蜴ロックリザード討伐から戻られたところでお疲れなんですよ。日を改めて話し合いの場を設けるのでお下がりください」
「ふん、そういう事にしてやる」

 もう1度私達を睨んでからゴーランは下がっていくと、ルカさんは『ふぅ~』とため息をついてから私達を受付カウンターへ案内した。

「ハルカさん、申し訳ありませんでした。ゴーラン協会長は少し強引なところがあって……」
「良いですよ。私はあのタイプとは関わらないだけですから(笑)」
「一応、私も同席する形で話し合い場を設けますが、それだけは許してくださいね」
「は~い♪」

 その後は、素材の買取りは後日の精算となったので、討伐代金の金貨30枚を受け取ってから冒険者協会を後にしたの。
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