上 下
90 / 335
第四章 スライムヴァンピール編

第9話 トーレス町

しおりを挟む
 石垣に囲まれた集落が見えてきたので、直ぐには入らずに集落の規模を確認する為に、石垣に沿って集落を一周する事にしたの。

『石垣に沿って集落の外を一周するね。ここがアニーの育った村ならここには寄らずに次の集落を目指すから、アニーの覚えてる村の特徴と同じが確認して欲しいの』
『OK!私の村だと判ったら直ぐに教えるね』

 ゆっくりと石垣に沿って歩き続けると、所々に畑があって農作業をしてる人がちらほら見えるけど、声を掛けずにそのまま歩き続けた。3時間ほどで一周出来たので外周は12km位なので、面積は9km2位なので結構広いのかな?この世界の常識が無いので全く判らない(汗)
 そう思ったら並列思考セレブロが答えてくれたの。

『この規模だと町かな?多分だけど[トーレス町]だと思う。一番近い[カンポ村]は分岐を左だったみたいだね』
『あっ、私の住んでたのは[ジョレンテ村]だったから、この町へ入っても大丈夫だ♪』
『おぉ、それじゃ町に入って暫く滞在しちゃう感じで良いかな?』
『『了解!』』

 私達は一番近い町の入場門へ向かって、入町の手続きをする為に受付へ並んだ。並んでる時に少し不安な事があったので確認する。

『入町するのに身分証とかお金って必要なのかな?必要なら何も持ってないんだけど……』
『私も何も持ってないや(汗)』

 手続きするにしても、私もアニエラも身分を証明する物は持ってないし、当然お金も無いので不安になった。

『身分証は殆どの人は持ってないね。あれば手続きが簡単になるから、冒険者協会で登録して[ハンター証]を作ると良いかもね。次にお金だけどハンターになる為に来たと言えば必要ない筈だよ』
『そうなんだ!じゃあハンターって事で!』

 並列思考セレブロが全て説明してくれたので安心して並んだの。そして、私達の入町手続きの順番になり門兵さんと話す。

「よえこそトーレス町へ、お嬢さん達は身分証を持ってますか?」
「持ってません。この町へハンターになる為にやって来たんです」
「お嬢様さん達がハンターに?まぁ、冒険者協会には色々と仕事があるからね。この用紙に記入してもらえるかな?仮証明になるから冒険者協会で手続きする時に提出して欲しい。ハンター登録がされると管理局へ連絡が行くんだよ。登録の連絡が3日以内に無い場合は罪人として追われるから注意して欲しい」

 門兵さんが丁寧に説明してくれたので、私達は用紙を受け取って名前と年齢を記入してから門兵さんへ用紙を見渡すと、受付印を用紙に押して再び用紙を受け取った事で入町手続きが完了したの。

「入町手続きは完了したので、これからトーレスの町を満喫してください」
「「ありがとうございました」」

 無事に入町手続きを終えて、私達はトーレス町へと足を踏み入れたの。
 異世界転生をしてから初めて人の住むを町を訪れたので、少しテンションが上がった♪
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

ヒマを持て余した神々のアソビ ~ 白猫メルミーツェは異世界をめぐる ~

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:1,655pt お気に入り:25

知識スキルで異世界らいふ

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:4,092pt お気に入り:107

異世界恋愛短編集

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:2,868pt お気に入り:603

前世お独り様だった喪女が、世界を救う!?

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:134pt お気に入り:11

政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~

恋愛 / 完結 24h.ポイント:6,462pt お気に入り:7,790

転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:8,606pt お気に入り:7,626

王族でもド稀な怪物王女

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:661pt お気に入り:17

処理中です...