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48 もう誰にも
しおりを挟むゆっくりと、瞳を開ける。
オルとメアがいる。
笑っている。
今は幸せだ。
大好きなメアとオルと私で三人であの家から遠くの場所で生活をしている。
夢で見たような生活。
「っ、、、」
涙がほら、またあふれてくる。
嫌なものなんてない
あの家の事はたまに耳に入って来るがもう私には関係ない。
あの世界は、あの家族など、私には必要のないもの。
「私達は、リーナ様を幸せにする為に生まれてきたんですよ」
そう言われるたびに胸があったかくなって、これが幸せなんだって感じて、
「私も、あなた達に出逢うために生まれてきたのよ」
「ずっと、一緒だよ」
そう三人で笑いあって、この苦しくて痛い物語は幸せへと幕を閉じた。
もう惚れたりなんかしない
初恋とは、
幼気な自分にサヨナラだ。
ただ目先のものだけを悔しがり欲しがるそんな自分なんて天へと葬ってしまおう。
メアの心も
オルの心も
私の心も
今の為にあるんだ
傷つけられるためなんかじゃない。
「生きていてよかった」
そう思えるこの日を作ってくれた存在に、最大限の感謝を込めて、
「この先の人生は絶対に、間違ったりなんてしないから」
あのときに私を生かしてくれた何か
「だから、もう…、誰にも絶対に壊させたりしないから」
ありがとう、もう無駄にはしない
この愛を
この幸せを
この時間を
この人生を
この世界を
私が愛おしく包み込むのだから。
【完】
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