もう惚れたりしないから

夢川渡

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27 幸せとは

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「リーナ様、大丈夫ですか?顔色がよろしくない…ですが…」


今日は、帰りに”あの人達"とお出かけをする。


「ごめん…大丈夫よ、オル…少し、不安なことがあるだけなの」
「不安なこと?なんですか…心配です!教えてくださいリーナ様」

「本当…くだらないことだから安心して…」
「ですが…」



8時丁度、いい時間だ、学校へ向かおう。



「では、いってくるわねオル、今日も朝からお疲れ様」
「…ありがとうございます、リーナ様」




正直とても怖い、過去の自分が終わった原因となる人物2人とお出かけとは…

メアだけだったらよかったのにな…


そんな甘えたことを考える暇などない!ちゃんとしなくては…オルに見送られながらリボンを整えて、馬車へ乗った。




──────────


「リーナちゃん!」
「あなた、いつもその出方するわよね…なあに、メア」

「その出方ってなに?!お迎えに来たよ!いこ!!」



ふぅ…

一息ついて動き出そう……


「ありがとう、少ししたら行くわ」
「了解!外で待ってるね!」

「ありがとう」


正直これまでここまでおおきな事はなかった。
あの恐怖の元凶に会う……お出かけをする…
身分的にもそこまで悪く思う人はいないと思うが、それもどうか……







そろそろ、メアを待たせてしまうわ…


勇気をだして教室のドアを開けた


───────────


「リーナ嬢、こんにちは、今日は一緒に来てくれるということで、ありがとう」

あああああ!!!
眩しい…眩しすぎる……

「こちらこそ、ありがとうございます」


なんとか表情を変えずに返事をすることができた。


「いこ!リーナちゃん!」
「ええ、」

今日の残り半分の時間、無事に生きて帰れるのかしら…

……変な誤解を生むような言動は避けないと…ね…

基本はメアといよう、そのほうが安心だ。
メアのことは信頼しかしていない、大丈夫、大丈夫……










…それにしても、なんでこのメンツなのかしら???








「ねえ、メア」
「なぁに?リーナちゃん」

「どうして、ルゼ・ノワールさんとレイン・ヘルさんと一緒にお出かけをすることになったの?仲良かったかしら?」







「えー?あーーー!!言ってなかったね



僕ら3人、幼馴染なんだ!!」




「…。」


「…!?」

「え!??」




衝撃の事実に思わず言葉の間が空いてしまった。
こわすぎる…ここまで容姿、頭脳、生き方が美しい人達が幼いころから付き合っている関係だなんて………




「そ、そうなのね…初めて知ったわ」
「いってなくてごめんね!」












───────────

なんやかんやありつつも、全く危ないことはなく、日が暮れて、今日のお出かけが終わろうとしていた。



「ねえ、リーナちゃん、ちょっとこっち来て」
「…ええ?」





腕を引かれ、他の2人と距離が離れる





「僕、今日、リーナちゃんの役に立てたかな?」
「…え?」


途端、風が強く吹いた

「~~~~~」


目に涙を浮かべた彼に、

よく聞こえなかったその言葉を聞き返すことは、


弱い私にはできなかった
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