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スクールハラスメント 2

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そのえつこちゃんが他の子たちから嫌われていると知ったのはクラスが離れてからだった。

「えつこちゃんって何であんなに威張ってるんだろうね?」

「うーん。さあ。」

私がいじめられたのを知らない筈なのに、そんな人たちがたくさんいるのにびっくりした。

そして単に彼女の八つ当たり?はけ口になっていたんだと気付いたのだ。

結局、弱いものの弱いものいじめってことだ。

いじめても対抗してこない子を選んだだけだった。

もう少し自分に勇気があったら、いじめもなかった。

そして、先生に気のせいじゃないって言われても、違うって言うことができたのに。

高校生になっても変わっていなかった。

臆病者の自分がM先生の痴漢行為を訴えることはなかった。それは最終的に卒業するまで続いた。

M先生はこんなことを自分だけにしてるんだろうか?

甚だ疑問だった。

※※※※※※※

美紗が社会人になってその記憶は遥か彼方になっていた。もう思い出すこともなかったのだが、間接的にではあるがそのM教諭の奥さんと同じ会社に働くようになったのだ。

奥さん(Mさん)はしっかり者で優しくてその会社で上に立つ立場の人だった。

管理職側の人間だった。


Mさんは下のものにも気を使ってくれて社長からも信頼されている。

「Mさんの旦那さんは高校の先生だったんですよねー。」昼御飯のときに一緒だったときに他の先輩から聞いたときは耳を疑った。


同じ名字で、高校の先生ってMさんはM先生の奥さん?

それからはすごくMさんと同じ昼食時間にかぶるのが嫌になった。

もし、自分が痴漢されてたことごばれたらどうしよう。嫌だ。

その気持ちがあったからだ。

「え、美紗さんは○○高校なの?」

偶然ばれてしまったときはヤバいと思った。

「はい。」

「あら、じゃあうちの主人がいたかも。」

「はい。」

他になんと言い様があるのか、だってあなたの旦那さんに痴漢されてましたっていったところで…………行く先はどうなる?

その時に言えばまだしもあれから何年たっているのか。

しかもM先生はもう退職している。

60前で若い高校生のおしりを触っていたなんて、最低だし、Mさんだって恥ずかしいだろう。

だから美紗はそれ以上何も言えなかったのだ。

それからもずっと何も知らぬ存ぜぬです過ごした。

それがお互いのために平和的に過ごせる方法だったから。

※※※※※※

ミカエルはここまでずっと美紗をみてきたが、小学生からずっと自分を圧し殺してきた美紗を不憫に思っていた。

「ふむ。なんとかしてやりたいがな。」
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