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第2部 同棲編
145 高瀬の誤解2
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まさか、、本当に俺の子供だったなんて。
嬉しい。
嬉しすぎる。
高瀬は人生最高潮の波がきてると思った。
愛している恵とその恵と自分の子供が恵の中にいるなんて。
こんな幸せでいいのか?
でも、なぜ、恵さんは隠すのか。
それならそうと言ってくれればいいのに。
自分がレズだから、ほかに恋人を持ちたいから偽装結婚なのか。
でもそれにしては変だ。最初から偽装結婚で他に恋人を持ってもいいって言ってたし。
なぜ、隠したのか?俺をゲイと思ってるから俺に気を使ってくれているのか?
恵さんはどういうつもりなの?
その理由を知りたかった。
しかし、それをはっきりさせようとすれば恵には拒否されてしまうような気もする。
…………あいまいでもいい。
恵さんと家族を作れるなら、それでも十分だ。
僕にはもったいない人なんだから。
そう納得させた。
「高瀬さんどうしたの?」と美月。
「え?」
「にやけたり、難しい顔したり、気味が悪かったよ?」と心。
「何でもないです。考え事してました。さあ飲んでください!」美月に、酒をすすめる。
「あ、美月はね、飲み過ぎると酒癖が悪いから今日はねやめようね。」と心がとめる。
「ひどい!!少しならいいのにー!!」
むくれる美月だった……。
~~~~~~~~~~~~~~
「これお父さんと私でって運ぶの無理じゃない?」
高瀬と恵の結婚式の前前日にやっと引き菓子の羊羹が出来上がった。
芋羊羹と練り羊羹の組み合わせで合計100個。お互いの親族と友人だけの結婚式と言ったが、引き菓子の数は尋常じゃなかった。
「うん。うちのワゴンだけには無理だな。心さん、車出せねえかな?」
「だよね。でもまだ今日会社から帰って来てないよ。」
心は今や恵の仕事を半分請け負っており、ゲーム統括責任者としてより社長代理としての仕事のほうがウェイトを占めていた。
「今日も遅いのかな。」
「ちょっと電話してみる。」
この量を父と美月だけで持っていくのは無理そうだった。
美月が電話をすると、呼び鈴三回ほどで心が電話をとった。
「もしもし、心さん?」
ーーーうん。なんかあった?
「今日って帰り遅い?」
ーーーもう帰ろうって思ってるところ。
「あのさ、車出せない?ホテルまで引き菓子持っていきたいってお父さんと話してて。」
ーーーうん。大丈夫。そのつもりだったから。
「ありがとう。待ってるね。」
電話をきる。
「心さん。帰って来てから持っていくって。今から帰ってくるみたい。」と隼人に言う。
「良かった。助かったな。やっぱり配達は若い人が一緒じゃないと最近腰も痛いしよ。母さんはリウマチもあるし。」
「うん。だよね。」
母親も一時期落ち着いていたリウマチがまたひどく痛みが出ていた。
孫の世話に行ってまた悪化したのだろう。
どうしようかな。
こんなんでカフェやっていけるのかな。
せっかく、カフェの経営は落ち着いてきてはいるものの、高齢化する父や母に頼りきりでいいのかというのは美月の悩みでもあった。
ましてや結婚する心は大学、藤田グループ、カフェの店員と三足のわらじをふんでいる。
今まで考えなかったけど、結婚してもこのままここに住むのかな。
でも、このまま、ここで住めなかったら私の負担はますます増えるし。でも心さんも渋谷までいつも大変だと思う。
綱渡りの毎日のような気がして急に不安に感じたのだった。
心さんはどうする気なんだろう。
家のこと。
忙しくてなかなか話す機会もないけどちゃんと向き合って話をする時間をとらないといけないなあ。
嬉しい。
嬉しすぎる。
高瀬は人生最高潮の波がきてると思った。
愛している恵とその恵と自分の子供が恵の中にいるなんて。
こんな幸せでいいのか?
でも、なぜ、恵さんは隠すのか。
それならそうと言ってくれればいいのに。
自分がレズだから、ほかに恋人を持ちたいから偽装結婚なのか。
でもそれにしては変だ。最初から偽装結婚で他に恋人を持ってもいいって言ってたし。
なぜ、隠したのか?俺をゲイと思ってるから俺に気を使ってくれているのか?
恵さんはどういうつもりなの?
その理由を知りたかった。
しかし、それをはっきりさせようとすれば恵には拒否されてしまうような気もする。
…………あいまいでもいい。
恵さんと家族を作れるなら、それでも十分だ。
僕にはもったいない人なんだから。
そう納得させた。
「高瀬さんどうしたの?」と美月。
「え?」
「にやけたり、難しい顔したり、気味が悪かったよ?」と心。
「何でもないです。考え事してました。さあ飲んでください!」美月に、酒をすすめる。
「あ、美月はね、飲み過ぎると酒癖が悪いから今日はねやめようね。」と心がとめる。
「ひどい!!少しならいいのにー!!」
むくれる美月だった……。
~~~~~~~~~~~~~~
「これお父さんと私でって運ぶの無理じゃない?」
高瀬と恵の結婚式の前前日にやっと引き菓子の羊羹が出来上がった。
芋羊羹と練り羊羹の組み合わせで合計100個。お互いの親族と友人だけの結婚式と言ったが、引き菓子の数は尋常じゃなかった。
「うん。うちのワゴンだけには無理だな。心さん、車出せねえかな?」
「だよね。でもまだ今日会社から帰って来てないよ。」
心は今や恵の仕事を半分請け負っており、ゲーム統括責任者としてより社長代理としての仕事のほうがウェイトを占めていた。
「今日も遅いのかな。」
「ちょっと電話してみる。」
この量を父と美月だけで持っていくのは無理そうだった。
美月が電話をすると、呼び鈴三回ほどで心が電話をとった。
「もしもし、心さん?」
ーーーうん。なんかあった?
「今日って帰り遅い?」
ーーーもう帰ろうって思ってるところ。
「あのさ、車出せない?ホテルまで引き菓子持っていきたいってお父さんと話してて。」
ーーーうん。大丈夫。そのつもりだったから。
「ありがとう。待ってるね。」
電話をきる。
「心さん。帰って来てから持っていくって。今から帰ってくるみたい。」と隼人に言う。
「良かった。助かったな。やっぱり配達は若い人が一緒じゃないと最近腰も痛いしよ。母さんはリウマチもあるし。」
「うん。だよね。」
母親も一時期落ち着いていたリウマチがまたひどく痛みが出ていた。
孫の世話に行ってまた悪化したのだろう。
どうしようかな。
こんなんでカフェやっていけるのかな。
せっかく、カフェの経営は落ち着いてきてはいるものの、高齢化する父や母に頼りきりでいいのかというのは美月の悩みでもあった。
ましてや結婚する心は大学、藤田グループ、カフェの店員と三足のわらじをふんでいる。
今まで考えなかったけど、結婚してもこのままここに住むのかな。
でも、このまま、ここで住めなかったら私の負担はますます増えるし。でも心さんも渋谷までいつも大変だと思う。
綱渡りの毎日のような気がして急に不安に感じたのだった。
心さんはどうする気なんだろう。
家のこと。
忙しくてなかなか話す機会もないけどちゃんと向き合って話をする時間をとらないといけないなあ。
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