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第2部 同棲編
134 悪魔退治2
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「それにしてもそんなカッコいい人なら女に不自由しないだろうな。」と山上が言う。
「不自由というかね。彼は好きになったら一途にその人だけを愛するから全く他は目に入らない。」
「へえ。僕ならよってこられたらそのままお持ち帰りしますよ。」と山上。
「うん。でも彼は違うんだ。」
「今もストーカーされてたりするんですか?」と連れが聞く。
「なんか、ちょっと思い当たる節があるらしいんだよね。」とおっさんが気の毒そうに言う。
「そんなやつはすぐ警察に付きだせばいいですよ。」と結が、言う。
「そう、思うかい?」
「はい。だって痛い目にあわなきゃわからないでしょ?」と結。
「なるほどね。」
カランとある男がバーの中に入ってきた。
白いパリッとしたシャツに黒いジャケットを羽織った背の高い男は見ている者を圧倒するオーラのある男で一度見たら忘れられない美貌の男だったーーそう、心だった。
「あ、その友達です。早かったですね。」
とおっさんが言う。
「はい。思ったより仕事がはやく終わったから。少し急いできたから喉が渇いた。」と心。
結が奥に逃げようとするが、連れが手を引っ張った。
「待って。」
連れが結を席へ座らせた。
「どうも。山上さん。ここへは2回目ですね。」
と心が言う。
「あ、どうも、、。」と山上。
「私も何かもらおうかな?えーとマティーニ。」
「あ、はい。」
「まさかね、福田さんがこちらの常連だとは知らなかったですよ。」と心が結に言った。
「あ、常連ってわけじゃ。たまたまです。」
「え、でもうちの早苗ちゃんがきてたときも福田さんと飲んでたって聞いたけど?」
と心が言う。
結は無言だった。
山上のシェーカーを振る音がバーに響く。
グラスにお酒を注いで心にだす。
「どうぞ。」
「どうも。」心が言った。
「福田さんと山上さんは付き合い長いんですか?」と心が尋ねる。
「え、、」無言になる二人。
「じゃあ話題を変えます。福田さんと早苗さんはどういう付き合いですか?」
心が結に向かって尋ねる。
「あの、大学の後輩で。」
「そう。そしてなに?」
「、、、、。 」黙りこむ結。
「話してくれないとわからないんだけど。」と心。
「心さん、これ、どうします?」
とICレコーダーを見せる下柳。
「今、聞いてみようかな?」
「はい。」
下柳がICレコーダーのスイッチを入れた。
さっきの会話が流れてきた。
心のストーカーのところではおかしくて心は笑ってしまった。
「これを聞く限り、福田さんは痛い目にあわないといけないみたいだね。」と心が結に向かって言った。
「なんでですか?」
「私の周囲の人たちに対して迷惑行為をしたでしょ?」
「ストーカーはしてませんよ。」
「でも早苗ちゃんをおいつめたよね。」
「あれは早苗が勝手にしたことです。」
「まだ知らんぷりするんですね。」
心が結を見た。
その眼差しは有無を言わせないものがあり、結は身構えてしまった。
「不自由というかね。彼は好きになったら一途にその人だけを愛するから全く他は目に入らない。」
「へえ。僕ならよってこられたらそのままお持ち帰りしますよ。」と山上。
「うん。でも彼は違うんだ。」
「今もストーカーされてたりするんですか?」と連れが聞く。
「なんか、ちょっと思い当たる節があるらしいんだよね。」とおっさんが気の毒そうに言う。
「そんなやつはすぐ警察に付きだせばいいですよ。」と結が、言う。
「そう、思うかい?」
「はい。だって痛い目にあわなきゃわからないでしょ?」と結。
「なるほどね。」
カランとある男がバーの中に入ってきた。
白いパリッとしたシャツに黒いジャケットを羽織った背の高い男は見ている者を圧倒するオーラのある男で一度見たら忘れられない美貌の男だったーーそう、心だった。
「あ、その友達です。早かったですね。」
とおっさんが言う。
「はい。思ったより仕事がはやく終わったから。少し急いできたから喉が渇いた。」と心。
結が奥に逃げようとするが、連れが手を引っ張った。
「待って。」
連れが結を席へ座らせた。
「どうも。山上さん。ここへは2回目ですね。」
と心が言う。
「あ、どうも、、。」と山上。
「私も何かもらおうかな?えーとマティーニ。」
「あ、はい。」
「まさかね、福田さんがこちらの常連だとは知らなかったですよ。」と心が結に言った。
「あ、常連ってわけじゃ。たまたまです。」
「え、でもうちの早苗ちゃんがきてたときも福田さんと飲んでたって聞いたけど?」
と心が言う。
結は無言だった。
山上のシェーカーを振る音がバーに響く。
グラスにお酒を注いで心にだす。
「どうぞ。」
「どうも。」心が言った。
「福田さんと山上さんは付き合い長いんですか?」と心が尋ねる。
「え、、」無言になる二人。
「じゃあ話題を変えます。福田さんと早苗さんはどういう付き合いですか?」
心が結に向かって尋ねる。
「あの、大学の後輩で。」
「そう。そしてなに?」
「、、、、。 」黙りこむ結。
「話してくれないとわからないんだけど。」と心。
「心さん、これ、どうします?」
とICレコーダーを見せる下柳。
「今、聞いてみようかな?」
「はい。」
下柳がICレコーダーのスイッチを入れた。
さっきの会話が流れてきた。
心のストーカーのところではおかしくて心は笑ってしまった。
「これを聞く限り、福田さんは痛い目にあわないといけないみたいだね。」と心が結に向かって言った。
「なんでですか?」
「私の周囲の人たちに対して迷惑行為をしたでしょ?」
「ストーカーはしてませんよ。」
「でも早苗ちゃんをおいつめたよね。」
「あれは早苗が勝手にしたことです。」
「まだ知らんぷりするんですね。」
心が結を見た。
その眼差しは有無を言わせないものがあり、結は身構えてしまった。
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