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第2部 同棲編
106 当たり前
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心がカラカラと戸をあけてでて行く音が聞こえる。
「あ、、」
美月は走って後を追いかけた。
「心さんっ。待っ、待って!」
階段を走って降りる。
パタパタと急いで走って戸をあけたが、心の車はもう走り去った後だった。
真っ暗な夜道。向かいのファミレスはまだ開いている。
明かりはあるのにとても寂しい。
「私、最低。。」
自分が招いたことなのに、信じてもらえないことが悲しくてつい心をなじってしまった。
でも自分の行いは心に疑念を抱かせるものでしかなかったのだ。
信じていてくれたのに。
あたたかいご飯を作って待っていてくれたのに。
心さん。
そのままその場に座り込んだ。
1人でいるのはなんて心細いんだろう。
自分の周りを見る。
なんにもない。
急に手を離されてしまうと何をしていいのかわからなくなる。
「家に入らないと。。」
美月は立ち上がる。
二階にあがってご飯を食べる。
食べながら涙がぶわぁと出た。
「おいしいよ。」
誰もいないから独り言になってしまう。
二人でいるのが当たり前になってしまっていて甘えていた。
また裏切られるのが恐いからって心を疑ってしまっていた自分が恥ずかしい。
こんなに信じてくれていたのに。
心を開いていなかったのは自分のほうだ。
裏切られるのが恐いからって壁を作っていた。
もしかしたら、もう前みたいに話せないかもしれない。
どうしよう。
もう帰って来てくれなかったら。
心さんは私が嘘をついても許してくれていたのに。
恐い。
そうなったらどうしよう。
とにかく謝らないと。
「どこやったっけ。」
スマホを探す。
スマホは充電器にさしてあった。
美月はさした記憶はない。
テーブルにおいてたのをそのまま心がさしてくれたのだ。
美月は泣きそうになる。
ごめん。
涙がこぼれる。
こんなに大事な人なのに。
傷つけてしまった。
自分のしたことを、後悔する。
ムーンナイト、行かなければよかった。
スマホを見る。
着信がある。
誰?
心さんの番号じゃない。
もしかしたら恵の入院してる病院だろうか?
美月は急いでかけ直した。
「もしもしっ?」
ーーあ、美月さんですか?山上です。
心とのケンカの原因の山上からだった。
「あ、、はい。」
ーー番号、店にかけたけど、転送されたみたいですね。この間言っていた早苗さんの知り合いが来てるけど、今これませんか?
「今ですか?」
ーーはい。その人も話したいことがあるって言ってます。一時間は待つということです。
「わかりました。」
美月は電話をきる。
もう行かないほうがいいと思うけど、でも早苗ちゃんのことが気になる。
心さんに電話して行けば大丈夫かな?
電話をしてみる。
心は運転しているのだろう。電話にでない。
メールをしておこう。
早苗ちゃんに関わることだから、許してほしい。
美月はテーブルの上の皿を片付けた。
着替えて準備をしてムーンナイトに出掛けたのだった。
「あ、、」
美月は走って後を追いかけた。
「心さんっ。待っ、待って!」
階段を走って降りる。
パタパタと急いで走って戸をあけたが、心の車はもう走り去った後だった。
真っ暗な夜道。向かいのファミレスはまだ開いている。
明かりはあるのにとても寂しい。
「私、最低。。」
自分が招いたことなのに、信じてもらえないことが悲しくてつい心をなじってしまった。
でも自分の行いは心に疑念を抱かせるものでしかなかったのだ。
信じていてくれたのに。
あたたかいご飯を作って待っていてくれたのに。
心さん。
そのままその場に座り込んだ。
1人でいるのはなんて心細いんだろう。
自分の周りを見る。
なんにもない。
急に手を離されてしまうと何をしていいのかわからなくなる。
「家に入らないと。。」
美月は立ち上がる。
二階にあがってご飯を食べる。
食べながら涙がぶわぁと出た。
「おいしいよ。」
誰もいないから独り言になってしまう。
二人でいるのが当たり前になってしまっていて甘えていた。
また裏切られるのが恐いからって心を疑ってしまっていた自分が恥ずかしい。
こんなに信じてくれていたのに。
心を開いていなかったのは自分のほうだ。
裏切られるのが恐いからって壁を作っていた。
もしかしたら、もう前みたいに話せないかもしれない。
どうしよう。
もう帰って来てくれなかったら。
心さんは私が嘘をついても許してくれていたのに。
恐い。
そうなったらどうしよう。
とにかく謝らないと。
「どこやったっけ。」
スマホを探す。
スマホは充電器にさしてあった。
美月はさした記憶はない。
テーブルにおいてたのをそのまま心がさしてくれたのだ。
美月は泣きそうになる。
ごめん。
涙がこぼれる。
こんなに大事な人なのに。
傷つけてしまった。
自分のしたことを、後悔する。
ムーンナイト、行かなければよかった。
スマホを見る。
着信がある。
誰?
心さんの番号じゃない。
もしかしたら恵の入院してる病院だろうか?
美月は急いでかけ直した。
「もしもしっ?」
ーーあ、美月さんですか?山上です。
心とのケンカの原因の山上からだった。
「あ、、はい。」
ーー番号、店にかけたけど、転送されたみたいですね。この間言っていた早苗さんの知り合いが来てるけど、今これませんか?
「今ですか?」
ーーはい。その人も話したいことがあるって言ってます。一時間は待つということです。
「わかりました。」
美月は電話をきる。
もう行かないほうがいいと思うけど、でも早苗ちゃんのことが気になる。
心さんに電話して行けば大丈夫かな?
電話をしてみる。
心は運転しているのだろう。電話にでない。
メールをしておこう。
早苗ちゃんに関わることだから、許してほしい。
美月はテーブルの上の皿を片付けた。
着替えて準備をしてムーンナイトに出掛けたのだった。
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