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第2部 同棲編

105 ケンカ

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美月は心の作ってくれたシチューを食べながら今日あったことを話していた。

「明日から武田くんの後輩の真田誠くんって子がアルバイトにきてくれることになったよ。」

「そうなんだ。よかったわね。真田くんってどこの学科かしらね。」

「わからない。ミステリーサークルの後輩だって。」

「また変わったのに入ってるね。ミステリーサークルって確か10人もいないんじゃないのかな?年々縮小してるらしいけど。」

「ふーん。どんなことするの?」

「ミステリー作品の批評とか作品の足跡をたどったりとかしてるって前聞いたことあるなあ。」

「へえ。なんかミステリーって恐そうだけど普通の人っぽかったよ。」

「そう。なら良かったね。何年生?」

「2年生だって。」

「じゃあ長く働いてくれるかもね。」

「うん。それにしても早苗ちゃん、どうしたのかな。一回ちゃんと話さないととは思っているんだけど。。」

「そうだよね。簡単にやめちゃう子じゃないわよね。何かあったのかな。」

「明日家に行ってみようかなあ。」

ぎょっとする心。

「美月、1人で行くのはやめてね。行くときは私も行く。」

「うん。。」

「姉さんはどうだった?」

「体調悪そうだった。」

「そう。さっき今週いっぱい休むからよろしくみたいな連絡がきてたんだよね。」

「ああ。うん。そうかも。また明日も行ってみる。」

「美月、、カフェも忙しいんだから無理しないでいいわよ。私が仕事帰りに見に行ってもいいし。」

「いや、私が行く。こういうときは女同士じゃないとわからないし。」と強めの語調で言う。

美月、ちょくちょく分からないことをいうけど、なんなのかしら。

「女同士じゃないとわからないって何?」

「え、と。今度お姉さんに聞いて。」

「なんか意味深な答えだね。」

心がむっと不機嫌になる。

「何、怒ってるの?」

「だって、そうでしょ?姉は私の姉なのに、二人してこそこそと私に秘密にしてさ。今日だって姉のマンションにいたって行ったけどどこにいたの?」

「なんでお姉さんのマンションだって言ったじゃん。」

「私、迎えに行ったけどいなかったわよ。」

「迎えはいいっていったじゃん。」美月もつい語調が強くなる。責めるような言い方をしてしまった。

「通り道だからね、、。入れ違いだったのかもしれないけど。美月さ、他にも私に嘘をついてるよね。」

「ついてないよ。」

「ムーンナイトに行ったでしょ?」

「それは、、、」

心がガタッと立ち上がる。

「今日は冷静になれないみたい。自分のマンションに帰るね。」

心は身の回りのものを持って、部屋を出ていったのだった。


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