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第2部 同棲編

102 脱水?

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こういうときの美月の行動力はすごい。いつもの彼女らしからぬ動きだ。

運転手にマンションの下に待っててもらい、恵のもとに向かう。

「お姉さんっ大丈夫っっ??」

部屋に入って行くと、げっそりとやせて顔が真っ青の恵がソファーにもたれかかっている。着替えて出かける準備はしていたが、とても1人ではむかえる状況じゃなかった。

「とりあえず入院の準備していこうよ。バッグとか下着とかさがしていい?」

恵がコクリと頷く。

恵が「あっちがクローゼットだよ。ごめんね。」と指差しながら力なく言う。

「うん。わかった。」

ものすごいスピードでクローゼットに入っていき、バッグを見つけて下着とか服とかつめて恵のそばに座る。

「お姉さん、水飲んでる?」

「水飲むとはきそうなんだよね。」

「じゃあもちろんご飯は食べてない?」

「うん。」

「お姉さん、たぶん脱水なんだと思う。さ、私につかまって。」

美月は恵に肩を貸して部屋をでた。

待たせていたタクシーに乗り込み一番近い産婦人科まで連れていってもらった。

「お姉さん、どこにするとか決めてた?」

「ううん。まだ。よくわからないからとりあえず検査だけって思ってた。」

「そう。なら良かった。」

運転手さんも察してくれたのか、マンションから5分くらいの小さいクリニックに停まってくれた。

「ありがとうございました。」支払いをして恵に肩をかして受付に行った。

大山病院。外観は昭和を感じさせるがしかし、院内に一歩入ると明るい雰囲気がある。ピンクのソファーにレースのカーテン。待合室にはぬいぐるみがあちこちにおいてあり子どもも一緒にきやすいようにキッズルームもあった。もう待合室には誰もいない。夕方の受付は5時までのようだった。

「すいません。初診なんですけど。」

恵の肩を抱きながら尋ねた。

「あ、はい。こちらの方が患者さんですか?」

「はい。」

「顔、真っ青じゃないですか!ちょっと待っててください。先生!」といい左奥の部屋に入っていった。

左奥の部屋から初老の男の先生がでてきた。

「うわ、ひどい顔色じゃない。こっちにきて。」


「あの受付は?」と恵が尋ねる。

「あとでいいから。」と先生がいい、恵は診察室に通された。診察室で恵は横になりその間に美月は受付を済ませた。中では先生から色々と恵が質問を受けていた。

「ふん。なるほどね。はいはい。わかりました。とりあえず妊娠検査薬で陽性でてるなら妊娠してるだろうね。エコーで見てみようか。」

診察室のベッドに寝たまま、診察台があがり先生が診察をする。

「うん。妊娠してます。大きさも週数相当、もう4ヶ月だね。12週くらいの大きさ。今のところ何の問題もないね。」

恵はほっとした。

「はい。じゃあ診察終わり。とりあえず付き添いの人にも入ってもらって話をしようか。」

「はい。」




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