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第2部 同棲編

71 またまた

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「隼人さん、すごく楽しそうだったね。」

「うん。」

その日の夜にふたりで晩酌しながら話をしていた。

「やっぱり職人根性が、染み付いてるんだよね。お父さん。」

「隼人さんがお菓子のこと考えなくなる日はないかもね。」

「心さんも常に考えてるの?仕事のこと。」

「うーん。私もアプリ作ったりするのは趣味みたいなものだからね。仕事とは違う感覚だけどね。美月はカフェのこと考えてるの?」

「私はずっとは考えてない。頭の中の三分の一くらいはしめてるかなあ。」

「そうなんだ。」

「四六時中仕事ばかり考えてたら息が詰まりそう。」

「そうよね。私も美月もいい感じにバランスとってるのかもね。」

「うん。ほんとに。恋も仕事も充実していてすごく今いい感じだよ。」

「恋じゃないよ。愛!」すぐさま突っ込みが入る。

「そうだね。愛で!!」美月が笑う。

充実している2人だった。

~~~~~~~~~

次の日の午前中。

また、スターフィールドカフェに山上がやってきていた。

「こんにちは。」

「あ、山上さん。いらっしゃいませ。どこでもどうぞ。」と武田が案内する。オーダーをとり早苗にコーヒーをお願いした。

「早苗さん、また山上さんきたよ。」

「ほんとに?今日は美月さん出掛けてるからちょうど良かったね。」

「そうですよね!僕が羊羹も持っていきます!さっさと帰ってもらいたいです。」

息巻いて羊羹を持っていく。

「どうぞ。」

山上はジャズコーナーに座ってレコードを見ていた。

「ありがとう。今日は美月さんはいないの?」

「はい。用事があるって言って出掛けました。」

「そうなんだ。午前中に帰ってくるのかな?」

「そこは聞いてないんです。」

「そうなんだ。残念だなあ。」

美月は新しいメニュー開発をしている隼人の依頼で慶明大学の守屋にアドバイスをもらいに出向いていたのだ。

「どうぞ。」
早苗がコーヒーを運んできた。

カラカラと、戸が開き新しいお客さんがやってきた。

「失礼します。」といい、お客さんを案内する。

人が足りないときに限ってどんどんお客さんがやってくる。

待っても無駄と思ったのか山上が帰っていく。

「良かった。美月さんと会わなくてすんで。」

心配性の武田がほっと一息ついていた。

「何もないのに大げさだね。」と早苗。

「何かあってからじゃだめなんですよ!」と武田。

二時間くらいたってからか美月も帰って来たのだった。

「遅くなってごめん。なんかあった?」

美月がバタバタと着替えて店内に入る。

「なんもないですよ。」
にっこり笑う早苗。

「人が足りないときに限ってお客さんが多い以外はですね!」と武田も笑った。
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