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第2部 同棲編
64 京都旅行 4
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茶碗坂を降りると、タクシーで駅に向かった。
駅の近くの湯豆腐のお店に入る。
ここもまた小さなお店だが、雰囲気のあるお店だった。
湯豆腐を食べて少し元気がでた美月。
「もうかなり京都を満喫してるけど、昼からはどうするの?」
「昼はね、宿に行って舞妓さんに変身して祇園を歩いてみようか?」
「そうだったねー!楽しみ!でもお腹いっぱいだけど着物が入るか心配。」
「そこらへんも考えて着付けしてくれるから大丈夫よ!」
駅からまたタクシーに乗り宿に向かった。
タクシーが宿の前に車をとめる。
宿の女将がでてきて。
「おこしやす。」
にこっと微笑んで礼をする女将。
またぽーっとなりそうな気持ちを押さえて「こんにちは。」といい中にはいる。
心が受付でチェックインすると仲居さんが部屋に案内してくれた。
「お着物のお着替えが2時からになっておりすので、それまでごゆっくりなさってくださいませ。」
「はい。」
仲居さんがいれてくれたお茶を飲みほーっとため息をついた。
「なに?」
「素敵なお宿だね。一見長屋風だけど、中に入ると石畳で中庭とか作ってあったし。受付のそばの部屋ってお茶室なのかな?掛け軸とかかかってたし。」
「うん。そうみたい。あそこをかりてお茶会もできるらしいわ。」
「へえ。すごい!」
「私は温泉が楽しみ!」
「今日は絶対別で入るから!」
「わかってるわ。」
心もむろんそのつもりだった。
せっかくの京都旅行、美月の嫌がることはしたくないし。
ある計画もあったのだ。
「さて、そろそろ行きましょうか。」
心と美月は着替えに向かう。
「女性の、かたはこちらへ。」
「あ、はい。」
心と美月は別々の部屋に通された。
~~~~~~
ちょうど一時間くらいたっただろうか。
美月が仲居さんに手をひかれてでてきた。
受付のソファーでくつろいでいた心は美月をみて目を見開く。
「、、、、、。」
「変?」美月が心配そうに尋ねた。
「ううん。すごく、綺麗。」
「そう?」へへと笑う。
本当に普段の美月からは考えられない。
「ちょっと若いなって思ったんだけど。これくらいきていいって言われたから。」
艶やかな金銀をちりばめた真っ赤の振り袖が白い肌によく生える。
いつもより派手めの化粧も全く違和感なく馴染んでいた。
「お写真とりましょうか?」
仲居さんに言われてはっとなる心。
「あ、はい。」スマホを渡して写真をとってもらう。
美月と心は中庭をバッグに何枚か写真をとってもらった。
「心さんもかっこいいね!」
「え、そう?私はあまり変わらないけど。」
心は、男の服装など羽織袴でたいして見映えもしないけど、美月はほんとにきれいだと思っていた。けれど、もともとの素材が他と比べると違う心はこうして羽織をはおって袴をきると本当に時代劇に出てくる役者のように見えるのだ。美月は美月でほれぼれと見ていた。
「歩ける?」
「うん。ゆっくりだけど。」
「じゃあちょっとお散歩行ってみようか?」
「うん。」
心は美月の手をとり宿を出たのだ。
駅の近くの湯豆腐のお店に入る。
ここもまた小さなお店だが、雰囲気のあるお店だった。
湯豆腐を食べて少し元気がでた美月。
「もうかなり京都を満喫してるけど、昼からはどうするの?」
「昼はね、宿に行って舞妓さんに変身して祇園を歩いてみようか?」
「そうだったねー!楽しみ!でもお腹いっぱいだけど着物が入るか心配。」
「そこらへんも考えて着付けしてくれるから大丈夫よ!」
駅からまたタクシーに乗り宿に向かった。
タクシーが宿の前に車をとめる。
宿の女将がでてきて。
「おこしやす。」
にこっと微笑んで礼をする女将。
またぽーっとなりそうな気持ちを押さえて「こんにちは。」といい中にはいる。
心が受付でチェックインすると仲居さんが部屋に案内してくれた。
「お着物のお着替えが2時からになっておりすので、それまでごゆっくりなさってくださいませ。」
「はい。」
仲居さんがいれてくれたお茶を飲みほーっとため息をついた。
「なに?」
「素敵なお宿だね。一見長屋風だけど、中に入ると石畳で中庭とか作ってあったし。受付のそばの部屋ってお茶室なのかな?掛け軸とかかかってたし。」
「うん。そうみたい。あそこをかりてお茶会もできるらしいわ。」
「へえ。すごい!」
「私は温泉が楽しみ!」
「今日は絶対別で入るから!」
「わかってるわ。」
心もむろんそのつもりだった。
せっかくの京都旅行、美月の嫌がることはしたくないし。
ある計画もあったのだ。
「さて、そろそろ行きましょうか。」
心と美月は着替えに向かう。
「女性の、かたはこちらへ。」
「あ、はい。」
心と美月は別々の部屋に通された。
~~~~~~
ちょうど一時間くらいたっただろうか。
美月が仲居さんに手をひかれてでてきた。
受付のソファーでくつろいでいた心は美月をみて目を見開く。
「、、、、、。」
「変?」美月が心配そうに尋ねた。
「ううん。すごく、綺麗。」
「そう?」へへと笑う。
本当に普段の美月からは考えられない。
「ちょっと若いなって思ったんだけど。これくらいきていいって言われたから。」
艶やかな金銀をちりばめた真っ赤の振り袖が白い肌によく生える。
いつもより派手めの化粧も全く違和感なく馴染んでいた。
「お写真とりましょうか?」
仲居さんに言われてはっとなる心。
「あ、はい。」スマホを渡して写真をとってもらう。
美月と心は中庭をバッグに何枚か写真をとってもらった。
「心さんもかっこいいね!」
「え、そう?私はあまり変わらないけど。」
心は、男の服装など羽織袴でたいして見映えもしないけど、美月はほんとにきれいだと思っていた。けれど、もともとの素材が他と比べると違う心はこうして羽織をはおって袴をきると本当に時代劇に出てくる役者のように見えるのだ。美月は美月でほれぼれと見ていた。
「歩ける?」
「うん。ゆっくりだけど。」
「じゃあちょっとお散歩行ってみようか?」
「うん。」
心は美月の手をとり宿を出たのだ。
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