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第2部 同棲編

52 初めての、、

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カチャ、とドアを開いた音がした。

心さんが帰って来たのかな。

お好み焼きの材料はすべて用意したし、グラスもあるし、今日は、準備完璧だ。

「ただいま」

心がコートを片手にリビングに入ってきた。

「おかえりなさい。」

「お好み焼き?」

「うん。たまには家でゆっくり食べたいよね。」

「そうね。ありがとう。お風呂入ってくるね。美月は入ったの?」

「私はまだ。」

「そう。じゃあ、一緒に入る?」

「それはいい。」あわてて否定する美月。

お風呂に一緒に入るなんて恥ずかしい。

「そう?じゃあ先に入るね。」

心は、お風呂に行った。

私は次に入ろう。

お風呂の準備をしていると「美月きて~。」お風呂から声がする。

「なに、なに?」

脱衣場に行くと心がお風呂から声をかける。

「ねえ、一緒に入ろうよ。見ないから。」

「えー。絶対みる!」

「見ないって。見て、アイマスクしてる。」

お風呂をのぞくと心がアイマスクをしている。そこまでして一緒に入りたいのか。


「、、、わかった。絶対、絶対見ないでよ!」

「見ません!」

めちゃくちゃ明るい声が返ってくる。

意を決して美月は服を脱ぎはじめた。

湯船につかっている心。

あー言ってみるものね。

まさかOKしてもらえるなんて!

今日は、なんていい日なの!

「心さん、あっち見ててよ。」

「わかった。」

心はアイマスクをしたまま向こうを見ている。
美月は体を洗い出した。

石鹸を泡立てて体をこする音が聞こえる。

シャーシャー

シャワーで洗い流す音が聞こえる。

シャンプーのポンプを押して髪を洗い出した。

今のところ心が見ている様子はない。

全て洗い終えた美月は心に声をかけた。

「入るね。」

「うん。」

ポチャ。

ゆっくりお風呂の中につかる。


心のマンションの風呂は少し広い。

普通の風呂より1.5倍くらいある。

それでも2人で入るには少しせまく感じる。

必然的に密着する。

背中合わせに湯船につかっている。

湯船の中にいるのだけでもあったかいのに、背中から心の熱が伝わる。

「美月。」

「何?」

「いつもありがとう。」

「うん。私こそありがとう。」

「美月がいると安心するし嬉しいです。」

「やだなあ。あらたまって。どうしたの?」

心がくるりと向きを変えて、美月を後ろからそっと抱いた。

「見てないよ。アイマスクしてる。」

「うん。」

「愛してる。」

「うん。」

きゅっと少しだけ力をこめた。

「のぼせちゃうね。出ようか。先にでて。」

「うん。」

心は抱きしめた手を緩めた。
そしてまた後ろを向いた。


美月は湯船をでて、脱衣場にいく。


美月は脱衣場の鏡を見た。

湯上がりだからか真っ赤だった。

たこみたい。

心も、さぞ真っ赤だろう。

さっと体をふいて着替えた。

ドライヤーはあとでしよう。
心に声をかけた。

「私、先にでるね。」

「うん。」

美月が脱衣場をでる気配を感じて心が風呂をでる。

心も体も顔も真っ赤だった。

ただそれだけではなかった。


「ふぅ」

もうあのまま押し倒したくなったけど、、、。

いやいや、だめよ。

我慢して良かった。

、、だめ、もう一度お風呂に入ろう。

シャワーで頭から水をかぶった。

落ち着け、落ち着け。

これじゃ滝にうたれてるみたい。

水シャワーをあびて完全に落ち着いた心はもう一度風呂に入ってからあがったのだった。








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