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第2部 同棲編

28 ゲームアプリ

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「おっはようございまーす。」

武田が上機嫌で出勤してきた。美月は店内を掃除している。

「おはよう。武田くん。なんかいいことあった?」

「え、わかります?」

「うん。」

「実はですね、なんと心先生のゲームアプリがグーグープレイの上位に食い込んできててDL数がめっちゃ伸びてて。心先生、やっぱ、すごいですよね。」

「DL?」

「ダウンロードですよ!」

「ああ、ダウンロード!」

武田がしらけた目で美月を見る。

「ほんとに美月さん、心先生の彼女ですか?」

「うん。一応。」
冷や汗をかきながら、美月が答える。

すると心が2階からおりてきた。

「違います。婚約者です!」と心。

「あ、先生、おはようございます。」

「おはよう。」

「フラワー!すごいですね!」

「うん。なんかすごいことになってるね。みんなダウンロードしてくれてありがたいね。」

「フラワーっていうの?アプリの名前?」と美月。

「正確にはフラワー、、」

「武田くん。それはいいから。」

「あ、また私に秘密にする!」

「美月はゲームはしないでしょ?」

「うん。しないけど。」

心がなぜか美月に秘密にしているようなので武田は口をつぐんだ。

「とにかく、すごいですよ!けっこうみんな課金もしてるんじゃないですか?」

「そうなんだよね。そんなに面白いのかなあ?」

「作った人が何を言ってるんですか!」

「あ、そろそろでなきゃ。じゃあ行ってくるね。」

「うん。いってらっしゃい。」

なんとなく今日は心を店の外に出向き送り出した。心が不思議な顔をして美月を見る。なんでついてくるの?って顔だ。
突然、心が周りに誰もいないのを確認して美月を抱き寄せた(正確にはだくかだかないかくらいの)。
「何?」美月がびっくりして言う。

「なんか物足りなさそうにしてたからバグした。」

「もう。昨日も沢山したじゃない!」

ぽっと頬を染める美月。

「ふふ。元気ならいいのよ。じゃあね。」と言って心は出掛けていった。

心には美月の心はお見通しなのだ。


ほんとに心さんにはかなわない。

美月は店に入った。

「武田くんもゲームするの?」

「僕はあんまりしないです。プログラミングをはじめてから少しやるくらいですね。」

「心さんもゲーム好きなのかな?」

「先生は作っちゃうくらいだから好きなんだと思いますよ。」

「そうよね。意外な一面だわ。」

「田中さんがゲーム好きみたいで、はまってやってるみたいです。」

「それはまた、意外。」


「おはようございます。」

早苗が出勤してきた。

「おはよう。」

「おはようございます。早苗さんもゲームとかするんですか?」

「ゲーム?うーん。たまにかな?」


「心先生がつくったゲームが評判なんですよ!」

「そうなんだ。すごい。さすが心先生。」と早苗。

「早苗ちゃんも機会があったらダウンロードしてみてね。」と美月が言う。


「はい!」


「あ、ところで、前回の帰るときって羊羹何個あったか覚えてる?」美月が尋ねる。


「いえ。分からないです。」と早苗。

「見てませんでしたね。」と武田。

「そう、ならいいの。ちょっと数が合わなくてね。私が数え間違ったのかもね。気にしないで。」

ほんと、私の気のせいかな。

しっかり数えないとっ。

「よしっ。じゃあ今日もよろしくお願いします!」


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