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第2部 同棲編
25 デパートデート
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水道橋のイタリアンをでたあと、デパートに向かうことになった。
お目当ては菓子器を見るためだった。
心と一緒にデパートの食器売り場をみていた。
「これ、かわいいね。」
「うん。白はなんでも合いそう。けど、こっちの白のほうが色が良くない?」
美濃焼きとかいてある。
これは5組でセットなのね。
ふむふむ。5組で3000円。お手頃なのかな。
でもこの白なら、今の優紀が選んでるお皿とあまり変わらないかな。
「でも、これだったら優紀ちゃんの選んでくれたので良くない?」と心が言う。
そうだよねえ。
あまり、デパートではいいのないのかもなあ。
まずは博物館とかで陶器を研究したほうがいいのかなあ。
そんなことを考えていると、心が話しかけられた。
「藤田様じゃございませんか?」
「ああ、こんにちは。」
「お久しぶりでございます。」
愛想のいい顔で心に近づいてきた。
「何をお探しですか?もし、よければ私が見繕ってご自宅にお持ちしますよ。」
「私、もうあの家に住んでないので。」
「左様でございますか。」
「和菓子の器を探してるんです。」
「和菓子ですか?」
驚きを隠せないようだ。
心のような人が食器を見るというのにも驚きだろうが、ましてや和菓子というから驚くのも無理はない。
「はい。彼女のカフェで使えそうなものを探していて。」
店員の目が美月に向く。
さりげなく上から下まで見られた。
何、この男の人。あまりいい気はしない。
確かに私と心さんじゃ不釣り合いかもしれないけど、、、。
美月をどう判断したのか知らないが、感じのいい笑顔を美月に向けてきた。
「でしたら上の階に茶道の道具を販売しています。そちらを見てみたらお気に召すものがあるかもしれません。」
「そうですか。わかりました。そこに行ってみます。」
心と美月は上の階に行くことにした。
「なんか、嫌な気分だったわね。」と歩きながら心がいう。
「え、そう。」と美月。
「あの人、うちに出入りしてる外商の人。」
「そうなんだ。」
「悪い人じゃないだろうけど、美月のことを値踏みするように見ていた。最悪!」
「心さんの隣にいたら誰だって見たくなるって。」
たぶん心さんの格好にリンクさせている今日の格好のおかげで美月が心の彼女だと認識してくれたのだと思う。
「にしてもさ、隣にいるんだから彼女って分かるでしょ?失礼だよ。」
「もう、そんな怒らないでよ。せっかくのデートなのに。」
美月が困った顔で笑うと、心が満足げにうなずいた。
「そうよね。せっかくのデートなのに!久しぶりだからデートって響きがぐっとくるわ。」
無粋なことを考えるのはやめよう。
幸せを噛みしめる心だった。
お目当ては菓子器を見るためだった。
心と一緒にデパートの食器売り場をみていた。
「これ、かわいいね。」
「うん。白はなんでも合いそう。けど、こっちの白のほうが色が良くない?」
美濃焼きとかいてある。
これは5組でセットなのね。
ふむふむ。5組で3000円。お手頃なのかな。
でもこの白なら、今の優紀が選んでるお皿とあまり変わらないかな。
「でも、これだったら優紀ちゃんの選んでくれたので良くない?」と心が言う。
そうだよねえ。
あまり、デパートではいいのないのかもなあ。
まずは博物館とかで陶器を研究したほうがいいのかなあ。
そんなことを考えていると、心が話しかけられた。
「藤田様じゃございませんか?」
「ああ、こんにちは。」
「お久しぶりでございます。」
愛想のいい顔で心に近づいてきた。
「何をお探しですか?もし、よければ私が見繕ってご自宅にお持ちしますよ。」
「私、もうあの家に住んでないので。」
「左様でございますか。」
「和菓子の器を探してるんです。」
「和菓子ですか?」
驚きを隠せないようだ。
心のような人が食器を見るというのにも驚きだろうが、ましてや和菓子というから驚くのも無理はない。
「はい。彼女のカフェで使えそうなものを探していて。」
店員の目が美月に向く。
さりげなく上から下まで見られた。
何、この男の人。あまりいい気はしない。
確かに私と心さんじゃ不釣り合いかもしれないけど、、、。
美月をどう判断したのか知らないが、感じのいい笑顔を美月に向けてきた。
「でしたら上の階に茶道の道具を販売しています。そちらを見てみたらお気に召すものがあるかもしれません。」
「そうですか。わかりました。そこに行ってみます。」
心と美月は上の階に行くことにした。
「なんか、嫌な気分だったわね。」と歩きながら心がいう。
「え、そう。」と美月。
「あの人、うちに出入りしてる外商の人。」
「そうなんだ。」
「悪い人じゃないだろうけど、美月のことを値踏みするように見ていた。最悪!」
「心さんの隣にいたら誰だって見たくなるって。」
たぶん心さんの格好にリンクさせている今日の格好のおかげで美月が心の彼女だと認識してくれたのだと思う。
「にしてもさ、隣にいるんだから彼女って分かるでしょ?失礼だよ。」
「もう、そんな怒らないでよ。せっかくのデートなのに。」
美月が困った顔で笑うと、心が満足げにうなずいた。
「そうよね。せっかくのデートなのに!久しぶりだからデートって響きがぐっとくるわ。」
無粋なことを考えるのはやめよう。
幸せを噛みしめる心だった。
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