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第2部 同棲編

16 早苗のコーヒー 1

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美月は機嫌よく店内を掃除していた。

それもそのはず、1年記念日に心が旅行に連れていってくれるというのだ!

「ふっふーん。」

と鼻歌を歌いながら掃除に精をだしている。

「どうしたんだ?やけに機嫌いいな?」
と隼人がいぶかしんでいる。

「あははは。」

と苦笑いの心。

今日もスターフィールドカフェの1日が始まろうとしていた。

「おはようございます。」

9時に早苗が出勤してきた。

「早苗ちゃんおはよう。」と美月。

「おはようございます。」と心。

早苗も「おはようございます。」と言う。

「ほんとに、お店にでてるんですね。」と驚いて心に言った。

「もちろん。ここには美月がこのカフェを作るって決めたときから手伝ってきてるし愛着があるんですよ。」

「そうなんですね。すごくいいカフェですよね。私も来たばかりですけど、落ち着きます。」

「そう思う?早苗ちゃん!」
と美月。

「ええ、思いますよ。コーヒーやお茶もそうですけど、やっぱり羊羹がいいですよね。また食べたいって思うし。」と早苗。

「早苗ちゃん。わかってる!」と美月が言うとさらに続けた。

「あとですね、何よりも美月さんがいいです。気負ってないし、話しやすいし、また来たいなって思いますよ。」

美月が少し照れて「そんなに言われると恥ずかしいけど、また来たいなって思ってくれてると嬉しいよ。」といった。

「美月、照れてる?」
と心が言うと。

「美月さん、かわいい!」と早苗が言う。

ん、あれ。と心は思った。

何だ、この感じ。

好みの女子をからかう男子の言葉みたい。

ま、なんとなく話の流れで言ったのかもしれないしね。

「あ、もう9時半だね。看板だしてくるね。」と心が看板を出しにでた。


さっそく、1人目のお客さんが店の前にきていた。

「いらっしゃいませ。」心がよく知るコーヒー会社、unitedの川畑だった。

「近くまできたので朝の出勤前に一杯飲もうかと思い寄りました。」

「どうぞ。」

カラカラ~心が戸を開けて、川畑が入る。

「あれ、新しいバイトさん?」

「あ、はい。」

「あ、川畑さん、お久しぶりです。早苗ちゃん、こちらunitedの営業さんの川畑さんだよ。私も川畑さんに色々教わってるの。川畑さん、こちらは昨日から入ってくれてる早苗ちゃんです。」

「宜しくお願いします。じゃあ、早速だけど、早苗さんにコーヒー入れてもらっていいかな?」

「はい。少々お待ち下さいませ。」

早苗がコーヒーをいれにいった。

「川畑さん、最近こないからもう転勤したのかと思ってた」と美月が言う。

「いや、さすがに転勤するときは挨拶にきますよ。」

「そういえばこの間、2ヶ月くらい前飲み会誘ったよね?あれくらいぶり?」と心が思い出した。

「あー、すみません。あのときは仕事がたて込んで残業でした。」

「忙しいんですね。」

「また誘いますね。」と美月。

話している間に早苗がコーヒーをもってやってきた。













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